41歳伊達 15年ぶりダブルス優勝!

[ 2011年10月17日 06:00 ]

ダブルスで優勝し、カップを手にするクルム伊達公子(左)と張帥

テニスHPジャパン女子オープン最終日

(10月16日 大阪市靭テニスセンター)
 ダブルス決勝で第4シードのクルム伊達公子(41=エステティックTBC)張帥(中国)組が、第1シードのバニア・キング(米国)ヤロスラワ・シュウェドワ(カザフスタン)組を破って優勝した。7―5、3―6で迎えた10点先取方式のマッチタイブレークを11―9で制して戴冠。クルム伊達のダブルスでのツアーVは、96年に杉山愛とのペアで臨んだジャパンオープン以来2度目で、08年の現役復帰後のダブルスでは初タイトルとなった。

 最後は相手のダブルフォールトで決まった。あっけない幕切れでも、会場の熱が冷めることはなかった。クルム伊達は張帥と抱き合い、拍手に包まれた。相手は昨年ウィンブルドンなどを制した強豪コンビ。クルム伊達は「ダブルスの強い2人に勝ったことが信じられない。高校時代を過ごした関西で優勝できてうれしい」と最高の笑顔を見せた。

 前日の準決勝。雨の影響で突然、別会場のインドアコートに移動を強いられた上、終了は午後10時すぎ。休養も十分とは言えず「体はいい状態ではなかった」。8月に負傷した左手も万全ではない。そんな状況でも集中を切らさないのがクルム伊達の強みだ。

 第1セットを2―4から逆転で奪取。第2セットは奪われたが、マッチタイブレークではクルム伊達が厳しいコースを連続して拾った末に最初のポイントを奪取。主導権を握り勝利を引き寄せた。ダブルスではツアー15年ぶり2度目の優勝。08年の現役復帰後シングルスでは09年韓国オープンを制していたが、ダブルスでの戴冠は初だった。

 41歳でのツアーVは偉業。女子ダブルスでのツアー最年長優勝記録は06年カナダオープンのマルチナ・ナブラチロワ(米国)の49歳10カ月だが、当時ナブラチロワはダブルスに専念していた。クルム伊達は「ダブルスは今のところ、シングルスありきのもの。次のルクセンブルク(オープン)で、いかにシングルスにつなげるか」とシングルスでも戦い続ける意向。

 シングルスで勝てば、ビリー・ジーン・キング(米国)の持つ最年長優勝記録(39歳7カ月)を更新する。クルム伊達は「このまま辞めるのは納得いかないので(シングルスでも)明るい兆しが見えてくるまではやりたい」と不屈の魂を見せた。

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2011年10月17日のニュース