内村「凄くうれしい」大満足の銅メダル締め!

[ 2011年10月17日 06:00 ]

<世界体操 男子個人種目別 鉄棒決勝>3位にはなったものの会心の演技で今大会をしめくくった内村は大声援を背にガッツポーズ

体操世界選手権最終日

(10月16日 東京体育館)
 表彰台で締めくくった。種目別決勝の男子鉄棒で、内村航平(22=コナミ)は国際大会自己ベストの16・333点をマークして銅メダルを獲得。個人総合、床運動の優勝、団体総合の2位と合わせ今大会4つ目のメダルで計23種目を完遂した。男子跳馬では、沖口誠(25=コナミ)が、16・291点で銅メダルを獲得した。

 全ての力を出し切った。鉄棒の最終演技者、内村の伸身の新月面が大舞台のフィナーレだ。ピタリと着地を止めたエースが、充実感いっぱいの表情で両手を突き上げる。頂点には届かなくても、大満足の銅メダル。「獲れると思ってなかったんで…。審判が評価してくれて、凄くうれしい」。平行棒の4位を含め世界大会自身最多となる合計23種目。過酷な戦いを終えて安どの笑みがこぼれた。

 スペシャリストたちのハイレベルな戦いに、最強のオールラウンダーが挑んだ。技の難度を示す演技価値点を団体、個人総合の6・7点から7・3点に上げた。それでも、優勝した鄒凱(スウガイ)の7・7点を筆頭に、7・4点以上の構成が4人。「みんなとんでもない点で場違いだと思った」。難度の差は、完成度で埋めた。G難度の離れ技カッシーナ(伸身のコールマン)を決めると、後半にもF難度のコールマンに成功。出来栄えを示す実施点は8選手で唯一、9点台の9・033点をマークして美しさを見せつけた。

 前人未到の個人総合3連覇、狙っていた床運動の金、悔しかった団体総合の銀、そしてうれしかった鉄棒の銅。東京で4度上った表彰台は、ロンドン五輪で目指す頂へのステップだ。海外メディアから「最も偉大と思う体操選手は?」と問われたエースは、92年バルセロナ五輪で6つの金メダルを獲得した伝説の男の名を挙げた。「一番、偉大なのはシェルボ(ベラルーシ)だと思う」。そして、こう付け加えた。「シェルボの体操以上に美しく演技したい」。ロンドンでの全種目完全制覇の8冠。それは、内村にしか見ることのできない美しい夢だ。

 ▼日本体操協会塚原光男副会長 今大会最大の反省は金メダルを逃した男子の団体総合だが、山室や沖口ら中堅の選手が頑張ったのが、来年につながる。内村はまだ進化中。底知れない可能性を感じた。さらなる期待をしたい。

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