勇太「やっと」今季初Ｖ！遼に並ぶツアー通算９勝

[ 2011年8月1日 06:00 ]

サン・クロレラ・クラシック最終日

（7月31日北海道小樽市　小樽カントリー倶楽部＝７４７１ヤード、パー７２）
　１打差の首位で出た池田勇太（２５＝日清食品）が４バーディー、４ボギーの７２で回り、通算１４アンダーで今季初勝利を挙げた。１５番で平塚哲二（３９＝甲賀ＣＣ）に並ばれたものの１７、１８番の連続バーディーで振り切った。池田は北海道開催の大会３勝目。ツアー通算９勝とした。アマチュアの松山英樹（１９＝東北福祉大２年）は通算８アンダーで６位に入り、ベストアマに輝いた。
【最終成績】

　　同組の平塚とのマッチレースを制した池田は激闘の余韻に浸っていた。「うれしいけど、物足りなさがあった。自分としては、もうちょっと平塚さんとやりたかった」。

　４番で４打差をつけながら１５番で追いつかれた。勝負が決したのは「北のアーメンコーナー」の異名を持つ終盤３ホール。１６番で１つ落とし、迎えた１７番パー３で４メートルに付けてバーディー。１打のリードを奪うと、１８番で圧巻のプレーを見せた。第２打で平塚がカップをなめるスーパーショットで１メートルに付けても動じない。「打ちゃ寄るだろうと思っていた。冷静だった」。言葉通り、残り１８５ヤードを６Ｉで１・２メートルにピタリ。外せばプレーオフの可能性があったバーディーパットを沈め、平塚のパットを待たずに今季初勝利を決めた。

　「パットが入らなかったが、我慢して切れることなくやった結果、お土産をくれたんだと思う」

　０９年にプロ初勝利を挙げた日本プロ選手権（恵庭ＣＣ）、昨年のＡＮＡオープン（札幌ＧＣ輪厚Ｃ）に続いて「昔から好き」という洋芝の北海道で３勝目を挙げた。

　トーナメントコースの大半のフェアウエーに使われている高麗芝は球が浮いて打ちやすいが、洋芝は球が沈むためアイアンで正確に捉える技術がなければ戦えない。クラブ契約を結ぶブリヂストンスポーツの担当者は「上から球をしっかり捉えられるからこそ（勝てる）」と池田のアイアンの技術の高さを称えた。

　これでツアー通算９勝となり石川遼に並んだ。尾崎将が持つ１０勝到達の最年少記録（２７歳２４８日）も視界に捉える。今季の池田には尾崎将と青木功しか達成していない３年連続４勝以上の記録もかかる。賞金ランクは２位に浮上。今季の目標に掲げる最多勝と賞金王に前進した。

　「７月の最後でやっと１勝できた。最多勝と賞金王へ、これでスタートできたと思う」。ブリヂストン招待と全米プロ選手権に出場するため、きょう１日に渡米する。この勢いで今季最後の海外メジャーに力をぶつける。

　◆池田の北海道Ｖ

　☆ツアー初優勝　０９年６月の日本プロ選手権（恵庭ＣＣ）で第１ラウンドから首位に立って完全優勝。最終日は３６ホールを回ったが、６９、６５をマークして通算１４アンダー、７打差のぶっちぎりで逃げ切った。シード１年目、２３歳５カ月でのメジャー制覇は歴代４位の年少記録だった。

　☆涙のツアー６勝目　１０年９月のＡＮＡオープン（札幌ＧＣ輪厚Ｃ）は初日、第２日を８位で折り返し、第３日に単独首位に浮上。最終日に６７をマークし通算１４アンダーとし、追い上げてきた金度勲（キム・ドフン）ら韓国勢を１打差で振り切った。尊敬する尾崎将司が得意としていたコースでの勝利に「いろんな意味で重い」と涙を流した。