星野がエース!故郷、家族のため奮起の4位浮上

[ 2011年4月16日 06:00 ]

18番、ティーショットを放つ星野英正

東建ホームメイトカップ第2日

(4月15日 三重・東建多度カントリークラブ名古屋=7081ヤード、パー71)
 東日本大震災で宮城県の実家が被害を受けた星野英正(33=フリー)が、67で回り首位と2打差の4位に浮上した。13番ではツアー通算4度目のホールインワンを達成。08年日本ツアー選手権以来のツアー4勝目へ調子を上げてきた。片山晋呉(38=フリー)が、68の通算9アンダーで首位を守った。石川遼(19=パナソニック)は、後半スコアを伸ばし34位から通算4アンダーの10位に浮上した。

 変わり果てた故郷の姿。それでも前を向いて足を踏み出そうとする数多くの被災者。宮城県利府町出身の星野は、ピンチのたびに「ここで諦めてはダメ。少しでも貢献できるように頑張らないと」と気持ちを奮い立たせ一打一打に集中した。

 3打差の8位で出た2日目は6番でボギーが先行したが、13番パー3で起死回生のスーパーショットが飛び出した。「もの凄く(感触が)良かった」という4Iの第1打は、ピン手前6メートルから転がりそのままカップイン、自身ツアー4度目のホールインワンとなった。今季からクラブを替え「仕上がりは半分ぐらい」という手探りの状態で迎えた開幕戦だったが、2日目を終え首位と2打差の4位に浮上した。

 大地震が起きた3月11日は宮崎で合宿中だった。兄夫婦が住む利府町の生家は、中のガラスなどが割れ土台が傷み建て直すしかなくなった。その近郊で暮らす両親の家も被害を受け「助けてくれ」と窮状を訴えられたという。友人や知人の連絡で知る故郷の惨状と家族の生活を案じ、ラウンド中でも「ミスした後にポッと(被災地のことを)思い出します」。

 昨年6月に元人気スターと同姓同名の山口百恵さん(家事手伝い)と結婚。家族ができて奮起したが、昨年は例年苦しむ重度の花粉症に腰痛が加わり、予選通過がわずか8試合に終わった。9年ぶりに賞金シードを失い、今季は08年のツアー選手権優勝で得た5年シードで戦う。巻き返しの1年へ、オフに鼻を手術。くしゃみや鼻水に影響する神経を3本切り「例年より症状を抑えられている」と体調はいい。

 故郷の被災者を少しでも勇気づけられるように「ツアーは義援金を送るし僕の家族も被災している。どっちにしろ僕は頑張るしかない。あと2日、気持ちでゴルフをしたい」。33歳は固い決意で決勝ラウンドに挑む。

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