無気力相撲排除へ 角界「イエローカード」導入

[ 2011年4月16日 06:00 ]

無気力相撲再発防止策の提言書を放駒理事長に手渡す新生委員会の島村委員長(左)

 日本相撲協会は15日、東京・両国国技館で臨時の理事会を開き、八百長問題の再発防止策を検討する「大相撲新生委員会」(島村宜伸委員長)から提案された8項目の防止策を受理した。同日付で「懲罰規定」が改定され、監察委員会にはケガなどで力を出せない相撲を取った力士を厳罰処分できる権限が与えられた。これまで十分に機能していないと批判されてきた監察委員会には、より一層の責任が求められることになった。

 相撲協会はこの日、「大相撲新生委員会」からの提言を受け、監察委員会の権限強化に踏み切った。同日付で施行された「故意による無気力相撲懲罰規定」では、監察委員会は敢闘精神に著しく欠ける相撲であると認められた場合には、本人に厳重に注意を行う権限を与えられ、同一力士が1場所で2度注意された場合には「休場勧告」もできることになった。さらに、懲罰に関しては「けん責」「給与減額」が削除され、新たに「解雇」が追加された。新生委員会によると「敢闘精神に著しく欠ける」相撲は、大ケガを押して出場した力士が土俵際で力を抜いたり、力なく土俵を割ることなどを指すという。ケガが理由であってもファンを落胆させるような内容が続いた場合、サッカーの“イエローカード2枚”と同様に、土俵に上がれなくなるという厳格なルールが設けられた。

 提出された8項目の中には、支度部屋への携帯電話持ち込みの禁止なども盛り込まれた。放駒理事長(元大関・魁傑)は懲罰規定以外の7項目を今月中に正式な防止策としてまとめ、5月の技量審査場所での適用を目指すと明言。「二度とこの規定を使わないように、(力士は)皆自覚して素晴らしい相撲を見せてほしい」と大声で訴えた。

 相撲協会は6日に、監察委員会の委員を7人から11人に増員。この日から、監察委員会の役割と活動も大幅に広がることになった。しかし、監察委員会が十分に機能しなければ、6回の会合を経て出来上がった再発防止策も絵に描いた餅に終わってしまう。土俵に監視の目を光らせる11人は、今まで以上に重い責任を背負うことになった。

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2011年4月16日のニュース