心が折れてしまった…2年ぶりの渋井「走りだしてから全部決めたい」

[ 2011年2月26日 08:11 ]

 肩の力が抜け、表情にゆとりが見える。27日の東京マラソンに出場する31歳の渋井陽子(三井住友海上)は目標を聞かれると「走りだしてから全部決めたいと思います」と言って、はにかむように笑った。前日本記録保持者は2009年以来となるマラソンを、来年のロンドン五輪へのステップと位置付けている。

 2年前の世界選手権は右足甲の疲労骨折で欠場した。その年の暮れから長期休養に入り、断食道場に通ったり、温泉巡りで自分を見つめ直した。「十数年間、ひたすら走ってきて心が折れてしまった」。心身の限界だったという。

 昨年11月の東日本実業団対抗駅伝で復帰。最近は「陸上が楽しい」とあらためて感じる。「体は絞れてません」と少しふっくらした顔で笑い飛ばし、「楽しければ走れる」と付け加えた。「変にこのペースで行きたいとか、考えすぎてイライラしたり、そういう人生だった」。タイムも順位も気にせず、テーマは自然体で走ることだ。

 尊敬する先輩の土佐礼子(三井住友海上)は欠場したが、応援に駆けつける予定。東京マラソンのお祭りムードに乗って「楽しんで走れそうです」と新境地の走りを目指す。

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2011年2月26日のニュース