次の五輪狙う西牧 初出場で初優勝

[ 2008年10月12日 20:30 ]

63キロ級で優勝し、伊調千春(右)、馨(左)姉妹に肩車される西牧

 レスリングの女子世界選手権第2日は12日、東京・国立代々木競技場で2階級を行い、63キロ級は初出場の21歳、西牧未央(中京女大)が決勝でリュボフ・ボロソワ(ロシア)に2―0で快勝し、初優勝を飾った。48キロ級の坂本真喜子(自衛隊)は準決勝でクラリサ・チャン(米国)に1―2で敗れたが、3位決定戦はカヤ・デメト(トルコ)にフォール勝ちした。チャンが初優勝した。63キロ級の伊調馨、48キロ級の伊調千春(ともに綜合警備保障)姉妹はけがのために欠場した。

 初めて世界一の座に就いた西牧は「めっちゃうれしい。今まで見たことのない数のカメラがあって不思議な感じ」。フラッシュを浴び、照れ笑いを浮かべた。
 初出場の舞台にも「落ち着いてやれた」と臆さず、得意の片足タックルを繰り出した。決勝も開始早々から果敢に攻めてポイントを先行。相手の反撃をいなし、カウンターで加点する理想的な試合運びで頂点に立った。
 4歳のころ、肥満対策で親にレスリング教室に連れていかれたのが競技との出会い。恵まれた才能を発揮して小、中学校で全国制覇を重ね、伊調馨ら世界女王と同じマットで練習する愛知・至学館高でさらに意識を高めた。「馨先輩と自分はタイプが違うが、近くに世界一がいることで、自分の力が分かる」。進む道が世界に直結していることを実感しながら腕を磨く。
 トップの顔触れが変わらない日本女子にとって、世界選手権の新女王誕生は5年ぶり。今後は次の五輪を狙い、五輪2連覇の大先輩に挑戦することになる。日本女子の栄和人監督は「西牧のタックルは馨にも通用する。将来が楽しみ」と期待を寄せた。

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2008年10月12日のニュース