タイに圧勝 また五輪へ一歩前進

[ 2008年6月5日 06:00 ]

<日本・タイ>3-0のストレート勝ちに笑顔の日本チーム

 北京へ力強く前進した。バレーボール北京五輪男子世界最終予選兼アジア予選第4日は4日、東京体育館で行われ、世界ランク12位の日本は、今大会初先発のセッター・朝長孝介(27=堺)の活躍で、同28位のタイを今大会初めてストレートで下した。通算3勝1敗で韓国に2―3で敗れたオーストラリアを抜いてアジア1位(全体2位)に浮上。アジア枠を争う最大のライバルとの直接対決となる、6日のオーストラリア戦に勝てば、92年バルセロナ大会以来、16年ぶりの五輪に王手となる。

【世界最終予選特集】

 植田ジャパンが完全に勢いに乗った。昨年のアジア選手権で0―3と完敗したタイに、3―0でリベンジ。昨年のタイ戦は、オーストラリアが先に敗れたため、日本が勝てばアジア連覇が決まる試合だった。この日もオーストラリアが敗れ、勝てばアジア1位に浮上する一戦。酷似した状況で勝利に導いたのは、控えセッター・朝長だった。

 「最初から声を出して、ムード良くいこうと思っていた」

 開幕から3試合スタメンを固定していた植田監督が、ついに動いた。セッターを宇佐美から朝長へ。3日の韓国戦で途中出場した27歳に、攻撃のタクトを任せた。第1セット序盤は「多少、緊張してた部分はあった」が、第2セット以降は冷静なプレーを披露した。
 宇佐美よりブロック、サーブで劣ることは自覚している。「僕は身体能力が高くない。トスワークで勝負するタイプ」。この日はスパイクで山本が10得点の他に石島、越川が6得点、松本4得点、山村3得点。トスを散らし、ブロックに的を絞らせなかった。所属する堺でも控えだが「途中から出ることも自分の仕事」と黙々と戦い、今大会4試合目での大役。燃えないわけがなかった。
 6日は、オーストラリアと直接対決。過去の対戦成績は14勝5敗とリードしているものの、昨年のアジア選手権で2―3、W杯も0―3で完敗した。平均身長で日本を約6センチ上回る難敵だが、3連勝中の植田ジャパンは勢いは上だ。「オーストラリアも倒します!」と力強く言い切った指揮官。目指す夢舞台へ、一気に王手をかける。

続きを表示

2008年6月5日のニュース