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【女子W杯】池田太監督 “チルドレン”たちの奮闘を「誇りに思う」 パリ五輪こそ頂点へ

[ 2023年8月12日 05:30 ]

女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会決勝トーナメント準々決勝   日本1―2スウェーデン ( 2023年8月11日    イーデン・パーク )

<日本・スウェーデン>泣き崩れる遠藤のもとに歩み寄る池田監督(AP)
Photo By AP

 なでしこジャパンが、異国のピッチで涙に暮れた。強豪スウェーデンにあと一歩及ばずに終戦。前半はシュート0本と力の差を感じさせられながらも、後半18分以降に11本のシュートを浴びせ、食らいついた。池田監督は「後半しっかり戦う姿勢を見せて1点を返してくれたこと、最後まで諦めずに戦ってくれたことを誇りに思う」と健闘を称えた。

 開始から球際で勝てず後手に回った。ほぼ何もさせてもらえないまま2失点。「我々を困らせるプレーに対して、修正に時間がかかった」。指揮官は唇をかんだ。

 だが、今大会初の複数失点を喫しても諦めなかった。自分たちのプレーが、日本女子サッカーの未来を決める――。苦しい時間帯でもハードワークを怠らず、セカンドボールを素早く奪取。武器のプレスが効き、パスワークにさえが戻った。植木のPKや藤野のFKがクロスバーに当たる2度の不運にも負けず、後半42分に1点差まで追い上げた。

 11年大会で頂点に立ち、15年大会は準優勝。栄華を極めたなでしこも、16年リオ五輪では出場切符を得られず、前回大会は決勝トーナメント1回戦で敗退。21年東京五輪もスウェーデンにはね返された。今大会も開幕直前までテレビ中継が決まらず、下馬評は高くなかった。

 10人の「池田チルドレン」が快進撃を支えた。池田監督は18年U―20W杯で日本を初優勝にけん引。今大会は宮沢をはじめ、10番を背負った長野、植木らその時のメンバー7人が名を連ね、昨年準優勝したU―20W杯メンバーからは藤野、浜野、石川が加わって勢いをもたらした。

 頂点への挑戦は8強で閉ざされた。しかし、快進撃でともした希望は消えない。次は24年パリ五輪。10月スタートのアジア2次予選、来年2月の最終予選を経て、今度こそ最も高い場所へ。池田チルドレンとともに、力強くパリへの道を歩む。

 ≪「次につながる」続投へ≫
 日本サッカー協会の佐々木則夫女子委員長は11日、池田太監督(52)の続投を明言した。試合後に指揮継続について問われ「もちろん。次につながると思う。期待を込めて次も頑張ってもらいたい」と話した。チームは10~11月にパリ五輪アジア2次予選が控える。池田監督は17年から年代別の女子代表を率い、18年U―20W杯で初優勝に導いた。その手腕が評価され、21年の東京五輪まで指揮した高倉麻子監督の後任として同年10月に24年パリ五輪までの任期で就任した。

 ≪田嶋幸三会長「評価したい」≫
 日本協会の田嶋幸三会長が都内で取材に応じ「スウェーデン戦の悔しさを次につなげてほしい」と振り返った。今大会は年代別代表で世界と戦ってきた“池田チルドレン”たちが主力に成長。「世代交代をしっかりとやりながらベスト8まで実行してくれたことは評価したい」と指揮官を称え「日本が目指すべきサッカーをしっかり植え付けてくれた」とねぎらった。

 ▽東京五輪スウェーデン戦VTR 21年7月30日に準々決勝で対戦。前半7分にCKの流れからクロスを入れられて失点。同23分に田中美のゴールで同点に追いつくも、後半に2失点し1―3で完敗。4強入りを逃した。

 ≪24年パリ五輪への道≫
 出場は12チームでアジア枠は2。FIFAランク11位の日本は10~11月のアジア2次予選から参戦する。12チームが3組に分かれ、日本はC組で同60位インド、49位ウズベキスタン、32位ベトナムと対戦。組内1位または2位最上位なら突破する。来年2月の最終予選は4チームが2組に分かれてホーム&アウェーで対戦し、勝てば五輪出場権を得る。

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