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【女子W杯】32歳・熊谷紗希 仲間に助けられ“主将”涙の62戦目 代表継続に意欲

[ 2023年8月12日 05:29 ]

女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会決勝トーナメント準々決勝   日本1―2スウェーデン ( 2023年8月11日    イーデン・パーク )

<日本・スウェーデン>熊谷とブラックステニウスのマッチアップ。日本の防波堤として踏ん張り続けた(AP)
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 最年長の熊谷はピッチに倒れ込むチームメートへ歩み寄った。猛攻及ばず、ぶち当たった4強の壁。「悔しいし、同点にするチャンスはいくらでもあった。自分たちが先に進むには何かが足りなかった。力のなさかなと思う」。目を真っ赤にして言葉をつむいだ。

 これまでの戦いとは様相が違った。球際で勝てず、守備の時間が続き、球を奪っても相手ゴールに迫れず。リズムをつかめないまま、警戒していたセットプレーでやられた。前半32分、相手FKからゴール前で混戦になると熊谷も必死にクリアを試みたが、失点。今大会初めて追う展開になり、終始相手のフィジカルに苦しんだ。後半にはハンドでPKを与えて追加点を許した。「もう少し後ろが踏ん張れたら、前にチャンスもできたと思う」と肩を落とした。

 チームで唯一、11年の栄光を知る32歳は13年から主将を務めてきた。これまでは前線の岩渕と守備の熊谷とでリーダー役を分担してきたが、その盟友が代表から落選。「正直、岩渕の分を背負うことはできない」と本音もこぼしたが、今大会ではFW田中美やMF長谷川ら代表歴の長い選手とともに役割を担ってきた。「背負えないけど何とかなりそう」。仲間にも助けられW杯を戦い抜いた。

 日本女子代表戦は主将が不明の試合が156試合もあるため、参考記録ながら、宮間あやの最多主将記録に並んだ。涙の62試合目となったが、「(チームに)いられたらいい」と引き続き代表でのプレーに意欲を示した。

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