【スポニチ記者４年後へ提言】「個の力」最優先に考えた方がいい

後半３分に先制ゴールを決めた原口（撮影・小海途　良幹）
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　ロシアでの激闘を終えた日本代表は、すぐに４年後への戦いを始める。スポニチ特派員として現地で取材を続けた５人の記者が２２年カタール大会に向け、緊急提言した。

　ボールをつなぐか、縦に速くか。今大会出場が決まった直後から日本代表はこの論争がメインとなった。ゴールを奪うはずの手段が目的化され、「コミュニケーション不足」という大義名分の下、Ｗ杯直前での監督交代劇が起きた。

　ロシアのピッチにあった正解は単純明快だった。コロンビアからの先制の呼び水となったのは、かつて選手たちが嫌ったロングボール。そこに大迫の持ち味のキープ力が生きた。８強へと手を掛けたベルギー戦での先制弾も、相手の裏を突いた原口のスプリント力のたまものだった。格上を撃破するには速攻も遅攻も不可欠。相手を分析した上で、限られた個の特長を最大限に生かす必要がある。

　積み上げ信仰の強い日本は立ち返るべき「よりどころ」を求めてしまうように感じる。連係や連動。日本が組織で磨いた“よりどころ”は強敵を前に通用しない時もある。海外組が過半数を占める今は「日本のスタイル」を強いるのは現実的でないことは明白。ゴールという目的だけを達成できる「個の力」を最優先に考えることから始めた方がいい。（大和　弘明）