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【スポニチ記者4年後へ提言】パワープレー対応、世界レベルの大型GK育成必要

[ 2018年7月4日 13:30 ]

後半アディショナルタイム、シャドリ(右)に決勝ゴールを決められる川島(左)(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 ロシアでの激闘を終えた日本代表は、すぐに4年後への戦いを始める。スポニチ特派員として現地で取材を続けた木本新也キャップら5人の記者が22年カタール大会に向け、緊急提言した。

 初の8強に迫ったとはいえ、世界との差はまだまだ遠い。ベルギー戦は一時、2点をリードする理想的な展開。それでも逆転されたのだから、勝つ道筋はまったく見えない。最も違いを感じたのがGKのクオリティー。川島の1次リーグ第1戦コロンビア戦、第2戦セネガル戦での凡ミスは不測の事態だとしても、その他のシーンでも能力の差を感じるプレーは散見された。

 例えば、ベルギー戦の1失点目。ゴール前の山なりのボールに飛び出した川島のパンチングのクリアが小さくなったことが発端だった。一方で、ベルギーのGKクルトワは後半アディショナルタイムの本田の右CKをしっかりとキャッチして、カウンターを演出。決勝弾の起点となった。マイナス1とプラス1。両国にはGKだけで2点の開きがあった計算となる。

 これは川島だけの問題ではない。日本代表の練習を見ていると、東口、中村の3人の守護神の中で、ハイボールへの対応に最もたけているのは川島だと映る。それでもルカクら1メートル90超の選手がそろう相手を敵に回すと不安定なプレーが続出する。JリーグNo・1守護神の呼び声が高いポーランド出身のGKカミンスキー(磐田)はA代表経験がない。これが、日本のGKレベルの現実だ。

 16強進出が出来過ぎとはいえ、ボールをつなぐ日本らしいスタイルを継続する価値があることを証明する大会ではあった。だが、守護神の課題を解決できなければ、終盤のパワープレーに沈む歴史は繰り返されるだろう。1メートル90超の大型GKをどう育成するか。日本サッカー界を挙げて、育成年代から取り組まなければならない。(キャップ・木本 新也)

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2018年7月4日のニュース