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カズ“還暦プレーヤー”の夢膨らむ 父・納谷氏は75歳でなお意気盛ん

[ 2017年2月28日 09:30 ]

26日の松本戦の後、ピンク色のスーツを着た横浜FC・三浦はケーキの前でバラを手に笑顔
Photo By スポニチ

 ピンクのスーツ姿のカズ選手を見て、24年前のJリーグ年間表彰式を思い出した。26日にニッパツ球技場で開催された横浜FC―松本戦は、初代MVPが50歳の誕生日に開幕戦のピッチに立つ歴史的な一戦。現場に立ち会えたことに感謝し、衰え知らずのバイタリティに感動していると、カズ選手の父・納谷宣雄氏(75)に再会した。

 記者が静岡支局に配属されていた01〜04年に、宣雄氏は静岡FC(10年にJ3藤枝と合併)のGMを務めており、当時は頻繁に顔を合わせていた。ブラジルの永住権を持ち、サッカー留学を手掛けるなど日伯の交流に尽力してきたが、この日は「今の時代は中国だ」と目を光らせていた。潤沢な資金を持つ中国企業に出資を要請して、静岡県内にグラウンドを整備して日中のサッカー交流を深める計画を進めているという。75歳になっても活力は衰えず、時代の流れを感じ取るアンテナも健在だった。

 カズ選手は自称「全国おはぎ協会会長」で、05年に出版したエッセイ本のタイトルは「おはぎ」。そういえば、宣雄氏もおはぎが大好物だった。静岡FC担当時代にクラブ事務所に洋菓子を差し入れた時、スタッフが「あんこの方が喜ばれますよ」と密かに教えてくれて、以後は和菓子ばかり持参した記憶がよみがえる。バイタリティ、食の好みなど記者が知るだけでも共通点は多い。

 横浜FC―松本戦後の夜、宣雄氏は永住権を更新するため、ブラジルに飛び立った。「最近は中国にばかり行っていて、ブラジルに行っていないんだ。そろそろ行かないと永住権が切れてしまう」。豪快に笑う姿から疲れはみじんも感じられない。タフで若々しい姿を見ていると、カズ選手が発した「改めて60歳まで頑張ろうと思った」との言葉も現実になるのではないかと思えてくる。超絶お洒落な赤いちゃんちゃんこをダンディーに着こなしたカズ選手が、風船の中から飛び出すシーンを想像してしまった。

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2017年2月28日のニュース