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元なでしこMF「試合の入り方良かった」でも「終わり方が良くない」

[ 2015年6月13日 17:08 ]

<女子W杯 日本・カメルーン>前半、先制ゴールを決め大儀見(奥)と笑顔を見せる鮫島

女子W杯カナダ大会C組 日本2―1カメルーン

(6月12日 バンクーバー)
 W杯連覇に向け、2連勝で1次リーグ突破を決めたなでしこジャパン。かつて代表MFとして2度のW杯に出場し、昨季限りで現役を引退した小林弥生さん(33=日テレ・ベレーザ育成組織アシスタントコーチ)にカメルーン戦について聞いた。

 「まず、早い時間に得点が入ったことが、この試合の一番のポイントだと思います」と小林さん。日本が終盤に押し込まれたように「カメルーンが試合に入り切れていない時間に得点が取れていなかったら、その後に得点に結びつけるのは難しかったかもしれない」と分析し、勝因を「試合の入り方が良かった」とする一方で「終わり方が良くない」と振り返った。

 日本は初戦のスイス戦に続いてカメルーンに終盤押し込まれ、シュートの乱れ打ちに遭った。そこには、初戦で左足を骨折して戦線を離脱した安藤の不在が大きいと小林さんは言う。日本はスイス戦の大儀見、安藤からカメルーン戦は大儀見、菅沢の2トップに変更。だが、「2人とも足元でボールを受けるタイプ。2人ともボールが収まる分、後ろの選手がロングボールを蹴る場面も多くなるが、局面によってはボールをもう少しつないでもいい場面もあった」と鋭く指摘する。

 「1人が収めるのが得意なタイプならば、もう1人は動き回る選手にするという手があってもいいと思う」。選手同士の組み合わせにもうひと工夫欲しいと語った。

 また、前半で出た課題を後半に生かすことができていないことも危惧する。「選手はハーフタイムに“ああしよう”“こうしよう”と修正点を話し合って後半に臨むが、選手の配置が変わるとまた一からやり直しになる。試合中に修正できれば一番いいが、じっくり話し合うのはどうしても難しい」と指摘した。

 ◆小林 弥生(こばやし・やよい)1981年(昭56)9月18日生まれ、東京都多摩市出身の33歳。ボランチからFWまでこなす万能型選手として日テレ・ベレーザひと筋にプレー。3度の大怪我を乗り越え、2000年に最多得点に輝くなどなでしこリーグ通算223試合に出場し、51得点をマーク。8度のリーグ優勝、7度の全日本女子選手権大会優勝など数多くのタイトル獲得に貢献した。女子日本代表としても1999年、2003年と2度のW杯と04年のアテネ五輪に出場し、国際Aマッチ通算54試合12得点。惜しまれつつ昨季限りで18年間の現役生活に終止符を打った。現在は日テレ・ベレーザの育成組織アシスタントコーチと、日本サッカー協会が主催する「こころのプロジェクト 夢の教室(ユメセン)」でスペシャルスタッフを務める。

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2015年6月13日のニュース