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沢 V宣言!「サッカー人生最高の試合に」

[ 2011年7月17日 06:00 ]

激励に訪れたキャプテン翼の作者、高橋陽一さん(中央)と記念撮影する、沢(前列左)ら日本イレブン

女子W杯決勝 日本―米国

(7月17日 フランクフルト)
 エースが日本を初の世界一に導く。なでしこジャパンは17日(日本時間18日午前3時45分)の決勝で米国と激突。得点ランク首位で大会MVP候補のMF沢穂希主将(32=INAC)は決勝前日の16日、過去3分け21敗の日米決戦に勝利することを宣言した。東日本大震災で被災した日本に元気とパワーを届けるために、世界女王となって凱旋する。
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 臨戦態勢は整った。16日に行われた公式会見。初の決勝舞台に向け、沢は自信の表情で世界の頂点に立つ決意を語った。

 「あしたはサッカー人生最高の試合にしたい。(1次リーグで)米国が負けたスウェーデンに(準決勝で)勝てたし、自分たちのサッカーができれば絶対に勝てる。世界の頂点を目指してやってきた。重圧はない。こんなチャンスは楽しむしかない」

 主将に一切の迷いはない。会見後に行われた練習では、人気サッカー漫画「キャプテン翼」の作者で、なでしこジャパンの応援キャラクターの「楓(かえで)ちゃん」を描き下ろした高橋陽一氏(50)から激励を受け、笑顔をのぞかせた。

 被災地に夢や希望を届けたい――。その強い思いが決勝進出の原動力となった。「(震災で)普段の生活ができない中で、自分たちはサッカーをやらせていただいている。自分たちが勝つことによって元気やパワーを与えられたらいいなと思います」。今大会では試合後に「世界中の友人の皆さんへ 支援をありがとう」と英語で書かれた横断幕を全員で持って場内を1周。準々決勝前のミーティングでは東日本大震災の映像を見て、1分け7敗だったドイツを初めて破る金星を挙げた。

 そんな思いを抱いて臨む決勝。FIFAランク1位で08年北京五輪女王の米国を破れば、これ以上ない希望の光を日本に届けることになる。過去の対戦成績は3分け21敗で未勝利。大会直前の5月の米国遠征では2試合とも0―2で完敗を喫したが、沢は「米国にも弱点はある。今の日本には勢いと自信がある」と言い切った。自信の源は、苦しい時でも一丸となって戦ってきた仲間がいるから。「みんな本当にサッカーが好きで、最後まで諦めずに頑張る選手ばかり。団結力のあるチームだと思う」。ドイツ、スウェーデンを破ったように、身体能力など個の力で負けても団結力で勝てる。それは、震災からの復興に日本全体が力を合わせることにも重なる。

 初めてベスト4入りした北京五輪の準決勝では、米国に2―4と敗れて決勝進出の夢を断たれた。あれから3年。沢が「本当に夢のよう」と表現した最高の舞台で、なでしこは最強の相手を破って世界女王になる。

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