×

元浦和コンビ大暴れ!フルミネンセ26年ぶりV

[ 2010年12月7日 08:26 ]

<フルミネンセ・グアラニ>優勝を決め、クラブの旗をまとって観客と歓喜を分かち合うワシントン

 ブラジル全国選手権は5日に最終節が行われ、フルミネンセがグアラニを1―0で下し、26年ぶり2度目の優勝を達成した。後半17分にFWエメルソン(33)がFWワシントン(35)のアシストで決勝点。元浦和コンビの活躍で今夏にブラジル代表監督就任を断念したムリシー・ラマーリョ監督(55)が名門を再建した。

 元Jリーガーが王国ブラジルの競技場を歓喜で満たした。勝てば優勝の最終戦。後半17分、左クロスに反応したワシントンがボールをつなぎ、エメルソンが左足を振るとボールはGKの股間を抜けた。重圧から既に降格決定済みの格下相手に苦戦を強いられた中、均衡を破る一撃。名門フルミネンセが優勝を決めた。
 「クラブ史に残るゴール。10年、20年、40年と語り継がれるはず。優勝を祝うのは26週間ぶりや26カ月ぶりじゃなくて26年ぶりなんだから」とエメルソンは振り返った。
 リオデジャネイロ州選手権はフラメンゴの優勝31回に対して30回と対抗するが、全国選手権は宿敵の優勝5回に対して1回。全国人気でも大きな差があった。悔しい思いをしてきたファンには雪辱への大一番。6日前から行列を作ったファンの1人が心臓まひで亡くなる悲劇もあったが、場内を埋めた4万5000人の思いに選手が応えた。
 2季連続の降格危機を乗り越えた今季は復活を期したクラブが強化に本腰を入れた。06年からサンパウロで全国選手権3連覇のラマーリョ監督を招へい。7月の主力負傷時はサンパウロで出番を失っていたワシントンを獲得した。保険大手のスポンサーから協力を取り付け、バルセロナなどで活躍したMFデコ、DFベレッチも補強。W杯後に指揮官がブラジル代表監督の候補として協会と交渉した際もクラブが拒否の姿勢を明確にした。
 「引き受けた仕事は途中で投げ出せない」と続投を決めた指揮官はこの日、あらためて「間違っていなかった」と強調。14戦不発ながら闘争心を買われて途中出場し、決勝点に絡んだワシントンは「団結力が勝因だ。ゴールという個人的な喜びがなくても優勝したいと願っていた」と笑った。
 浦和時代はわがままな言動で摩擦を起こしたこともあったエメルソンも故障で出場を危ぶまれた中で優勝に貢献。「チームの助けになりたくて、どうしても出たかった」と訴えた。84年の初優勝から26年。一体感を見せつけた名門が復活した。
 ★フルミネンセ 1902年にリオデジャネイロで創設。宿敵フラメンゴとのダービーマッチは「フラ・フル」と呼ばれ、ブラジルで最も注目されるカードと言われる。リオデジャネイロ州選手権優勝30回、ブラジル全国選手権優勝2回も、リベルタドーレス杯は08年の準優勝が最高。

続きを表示

2010年12月7日のニュース