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俊輔&圭佑 天才レフティー先発共演へ

[ 2009年9月3日 06:00 ]

ボールを競る中村俊輔と本田圭佑(右端)

 夢の天才レフティー共演が実現する。オランダ合宿中の日本代表は2日、エンスヘーデ近郊のデルッテで練習を行ったが、岡田武史監督(53)はMF中村俊輔(31=エスパニョール)とMF本田圭佑(23=VVVフェンロ)を同時に起用する新布陣をテスト。オランダ戦でそろって先発することが決定的となった。欧州で活躍する2人のレフティーがどんな化学変化を起こすか、期待が膨らむ。

【日本代表コーナー


 オランダ戦で“夢の共演”が実現する。合宿初日に「可能性としてはどんな組み合わせもある」と中村、本田の同時起用を示唆していた岡田監督は2日の戦術練習で早速テストした。
 中村は2列目の左、本田は2列目の右もしくは中央に入ったが、ビルドアップの中で2人は絶妙のパス交換を見せた。岡田監督は「本田の適性も見てみたかった。このチームで何ができるか、分かってきている」と語った。まだ試運転にすぎないが、本田は「(中村は)バランス良く動いてくれるので、オレはさらに危険な位置に行きたい」と中村との連係に手応えをつかんだ。
 ともに左利きでFKを得意とする司令塔。代表ではポジションを争うライバル。勝ち気な本田が、先輩の中村に対抗心をむき出しにしていたことから、周囲から「変な雰囲気」とまで言われていた。それがオランダ戦を前に変化した。合宿初日には2人で会話しながら練習場に現れた。中村は本田との共存を意識してか「個々でやるのではなく数的優位をつくりミスを少なくしたい」と話している。熱心に話す2人に距離は感じられない。共存すれば中盤のキープ力が増し、パスからFKまで攻撃の幅が広がり得点力もアップするはずだ。
 日本代表で2人が同時に出場したのは、08年6月のW杯3次予選バーレーン戦だけ。当時は中村が右足首に故障を抱えていた。本田はあくまで中村の代役で、結果的に強行出場した中村と共存したに過ぎなかった。今回は違う。欧州で実績を残した本田はオランダ代表スナイダー(インテル・ミラノ)からも「本田はスター選手だ」と名指しで警戒されている。日本の誇るWエースと言っても過言ではない。
 中村はオランダ戦について「100%でぶつかれば課題が出る。そういう試合にしたい」と話す。岡田監督は欧州組の積極起用を明言しており、中村、本田を先発させる可能性は大きい。指揮官は宿舎で強豪国のプレーを集めたDVDを見せて世界に挑戦するという意識付けを行った。W杯4強入りへの第一歩となる試合だ。FIFAランク3位のオランダ相手に2人のレフティーはどんな化学変化を見せるか。今後の日本を占うことになる。

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2009年9月3日のニュース