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川崎F快勝!初出場のGK杉山お見事完封

[ 2009年9月3日 06:00 ]

<川崎F・横浜>勝利に大きく貢献しジュニーニョ(左)のねぎらいを受ける川崎GKの杉山力裕(手前)

 【川崎F2-0横浜】Jリーグ・ヤマザキナビスコ・カップ準決勝第1戦は2日、2試合が行われ、初優勝を目指す川崎Fがホームで横浜に先勝した。プロ4年目で公式戦初出場となったGK杉山力裕(22)がデビュー戦で初完封して2―0の勝利に大きく貢献。攻撃陣もFW鄭大世=チョン・テセ=(25)とFWジュニーニョ(31)がゴールを決め、MF中村憲剛(28)、GK川島永嗣(26)の日本代表コンビが不在の中、2年ぶりの決勝進出に前進した。また、FC東京はアウェーで清水と2―2で引き分けた。

【試合結果


 守護神不在の中でチームの完封劇を演出したGK杉山の目には涙が浮かんでいた。試合後のサポーターへのあいさつ。「皆さん、初めまして!きょうデビューした杉山力裕です!」と初々しく絶叫したヒーローは「代表がいなくなったところで負けたくなかった。4年間試合に出てなくていろんな思いがあった。勝てて良かった」と安どの表情を浮かべた。

 まさに守護神不在を感じさせないプレーぶりだった。前半31分に横浜のMF兵藤のミドルシュートを左に跳んで好セーブを見せるなど、前半だけで3度の好守を披露。さらに後半にも2度の好守で、計24本のシュートの嵐を防ぎきった。ナビスコ杯準決勝の大舞台で杉山を抜てきした関塚監督も「(杉山は)素晴らしかったですね。自信を持って送り出しましたし、それに応えてくれた」と目を細めた。

 試合後の涙には理由があった。活躍する姿をどうしても母・裕子(ひろこ)さんに見せたかったからだ。3歳の時に父・力(つとむ)さんが他界し、女手1つでサッカー生活をサポートしてくれた母が、この日はスタンドで観戦。「自由にサッカーをやらせてくれて、出場機会がない中でも励ましてくれた。勝ちをプレゼントできて良かった」と感謝の言葉が口をついた。

 攻撃の要・中村を欠いた攻撃陣も鄭大世、ジュニーニョの2発で快勝。鄭大世は後半42分にはゴールライン際で相手のシュートをクリアするなど守備でも奮闘。昨年のナビスコ杯では川島、中村を欠いた試合では1勝4敗と不在の影響が大きかったが、この日は攻守ががっちりとかみ合って価値ある1勝をつかみ取った。

 「アウェーでもゼロで抑えられるようにしたい」と杉山は6日の第2戦に向けても気合十分。層の厚さを見せつけた川崎Fが、このまま初優勝へと突き進む。

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2009年9月3日のニュース