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錦織「ミス多すぎ」決勝ならず 3決で96年ぶりメダル狙う!

[ 2016年8月14日 05:30 ]

第1セット、ショットを放つ錦織

リオデジャネイロ五輪 テニス男子シングルス準決勝 錦織圭0―2A・マリー

(8月13日 五輪テニスセンター)
 男子シングルス準決勝が行われ、第4シードで世界ランキング7位の錦織圭(26=日清食品)は、第2シードで同2位のアンディ・マリー(29=英国)に1―6、4―6のストレートで敗れ、決勝進出を逃した。1920年のアントワープ五輪の男子単複で銀メダルを獲得した熊谷一弥以来、96年ぶりの表彰台を狙った錦織だが、2連覇を狙うロンドン五輪王者に屈した。14日(日本時間15日)の3位決定戦で、悲願のメダル獲得を目指す。

 日本勢96年ぶりのメダルは、3位決定戦に持ち越された。過去の対戦成績が1勝6敗で3連敗中のディフェンディングチャンピオンに完敗。「今日はミスが多すぎた。彼の安定したテニスに太刀打ちができなかった。相手のサーブが良かったですし、たぶん確率も高かったので、リターンで攻めることができずに、ずっと苦しかった」。世界2位の壁の高さを思い知らされる結果となった。

 第1セットは第4、6ゲームをブレークされて1―6で落とした。続く第2セットは2―2で迎えた第5ゲームをラブゲームでブレークされた後は、自身のサービスゲームをキープするのが精いっぱい。「世界一のリターン力を持つ」と評する相手に、第1セットで10の凡ミスを重ねるようでは、勝機は見えなかった。

 錦織がA・マリーから唯一勝利を挙げたのが、14年のATPツアー・ファイナルでの対戦。1次リーグB組初戦で相対し、6―4、6―4のストレートで下した。この試合の錦織の第1サーブ成功率は46%(67分の31)でしかなく、相手に7本のサービスエースを決められた。にもかかわらず白星をつかめたのは、世界屈指のストローク戦の強さがあったから。ただ、この日のA・マリーは全ての局面で錦織を上回っていた。

 五輪の前哨戦となった7月のロジャーズ杯(カナダ)は準優勝。世界ランキング1位のジョコビッチ(セルビア)に決勝で敗れたものの、トーナメントを勝ち上がるごとに調子を上げた。ウィンブルドン選手権(英国)で4回戦途中で棄権する原因となった左脇腹痛の不安も払しょく。リオ入り後は3度目の五輪で初めて開会式への出席を自重して競技に集中したが頂点には届かなかった。

 準々決勝ではモンフィス(フランス)をフルセットで下して4強入りを果たし、3度目の五輪で過去最高の成績を残した錦織。ただ、3位と4位では天と地ほどの差がある。「しっかりリカバリーしてまた明日(3位決定戦を)頑張りたい」。今度こそメダルを確保してみせる。

 ▼20年アントワープ大会でのテニス 前年の全米ランキングで3位になるなど世界的プレーヤーに上り詰めていた熊谷一弥が決勝でルイス・レイモンド(南アフリカ)と対戦。第1セットを先取したが、試合途中から降りだした雨に苦しめられて、その後は1セットも奪えずに敗退した。それでも、熊谷は銀メダルを獲得し、日本人初の五輪メダリストとなった。また、ダブルスでは熊谷と柏尾誠一郎がペアを組み、決勝でイギリスのペアに敗れたものの、銀メダルに輝いた。

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