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【佐藤信人の目】金争いはローズとステンソン 凄い一騎打ちに期待

[ 2016年8月14日 16:30 ]

第3ラウンド、3番でバーディーパットを決め、声援に応える池田勇太

リオデジャネイロ五輪ゴルフ・男子第3日

(8月13日 五輪ゴルフコース)
 池田は第2ラウンドに続いて第3ラウンドも69をマークした。ショットの調子は全米プロ選手権の時からずっといい。パットがもう少し決まっていれば、通算4アンダーくらいまで伸ばしてもおかしくない内容だった。

 5番、10番、18番とパー5でスコアを落としたのがもったいなかった。18番はフェアウエーからの第3打をグリーン奥にこぼしてボギーにした。バーディーで上がればメダル獲得の高い可能性を残して最終日に臨めると意識していたはず。アゲンストが強かったので奥から戻してピン側に付けるという狙いだったのだろう。キャリーがほんの数ヤード大きかったためグリーンからこぼれ落ちた。

 終了後に丸山茂樹ヘッドコーチが「18番は2打目を刻みすぎ、3打目は逆に狙いすぎ」という趣旨の発言をしていた。18番はグリーンが小さいから、確かに2打目でもう少し距離を稼いで、3打目をピンに確実に付けられるようなマネジメントが必要だったのかもしれない。調子が良いだけに本人ももどかしい思いをしているのではないか。

 片山はまた11番でつまずいた。11番から13番は難しいホールが続く。飛ばし屋でも第2打でロングアイアンを持たざるを得ないような難所だ。片山はフェアウエーウッドの名手だが、風の強いコンディションの中で良いショットを打ち続けるのは難しい。力みが出てミスにつながっている。

 金メダル争いはメジャー優勝経験を持つローズとステンソンの2人に絞られてきた。ローズは3日間を通じてパーオン率が79・63%と非常に高く、ピンチが少ない。ステンソンは普段米ツアーでは7割以上(72・63%でランク1位)の数字を残しているが、今週は結構外している(64・81%)。それでも高いスクランブリング(パーオンしなかった時にパー以上で上がる確率)でスコアをまとめている。

 2人ともハイレベルな技術に加え経験がある。今年の全英オープンで、ステンソンとミケルソンが見せたような凄い一騎打ちを見せてくれるのではないかという期待感がある。(プロゴルファー)

 ◆佐藤 信人(さとう・のぶひと)1970(昭45)3月12日、千葉県生まれの46歳。ネバダ州立大卒。93年プロ転向。国内ツアーでメジャー3勝を含む通算9勝。欧州ツアーに参戦するなど海外経験も豊富。今年3月に日本ゴルフツアー機構(JGTO)理事に就任。1メートル79、75キロ。

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2016年8月14日のニュース