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北島、亡き友にメダルを ダーレオーエンさんの思い胸に

[ 2012年7月26日 06:00 ]

会見中に笑顔を見せる北島

 競泳日本代表の北島康介(29=日本コカ・コーラ)ら5選手が25日、選手村内で公式会見を行った。男子平泳ぎ3大会連続2冠を狙う北島は4月の高地合宿中に心臓まひで亡くなったライバルのアレクサンドル・ダーレオーエンさん(享年26)にささげる泳ぎを誓った。

 ただ1人出席していた海外メディアのノルウェー通信のマグナス・アーベック記者が、ダーレオーエンさんについて質問すると、北島は表情を引き締めて語りだした。

 「彼とレースをしたかったので、この場にいないのは、寂しい気持ちでいっぱいです。彼はここでまた戦いたかったと思う。彼の分までとはいかないかもしれないけれど、自分にできる精いっぱいのレースをしたい」

 100メートルでは4年前の北京五輪でダーレオーエンさんとの競り合いを制したが、昨年の世界選手権では完敗した。昨夏以降はダーレオーエンさんに勝つことが最大のモチベーションだった。もう再戦はかなわないが、ライバルの思いを胸に秘めてスタート台に立つつもりだ。

 注目しているのは日本人だけではない。アーベック記者は「ノルウェーで水泳はメジャー競技ではないけれど、アレックス(ダーレオーエンさん)がツイッターでつぶやいたりしていたので、北島を知っている人は多い」という。

 今大会の目標を問われると、きっぱり言った。「もちろん金メダルです」。28日には100メートル予選が行われる。北島の五輪が間もなく始まる。

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2012年7月26日のニュース