橋下徹氏 袴田さんの有罪主張する検察に疑問「証拠の評価は散々争われて結論出てきたんだから」

[ 2023年7月16日 10:07 ]

橋下徹氏
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 元大阪市長で弁護士の橋下徹氏(54)が16日、フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」(日曜前7・30)に出演。1966年に静岡県清水市(現静岡市)の一家4人が殺害された事件で死刑が確定し、裁判やり直しが決まった袴田巌さん(87)の再審公判で、検察側は10日、袴田さんの有罪を立証する方針を静岡地裁に伝えたことに言及した。

 血痕が付着し、確定判決で「犯行着衣」と認定された衣類の補充捜査結果などを基に主張を組み立てる。検察と弁護側が争い、審理が長引く可能性が高まった。静岡地検の奥田洋平次席検事は「今後適切に主張、立証していく」と記者団に語った。

 血痕が付着した5点の衣類は事件から約1年2カ月後、赤みが残った状態でみそタンクから見つかった。3月の東京高裁決定は弁護側の実験結果などに基づき、「赤みは残らない」と判断。捜査機関側が証拠を捏造した可能性が極めて高いとして再審開始を認めた。しかし検察は10日、地裁に提出した意見書で、衣類は袴田さんが事件当時に着用していたものだとし、検察の実験によれば「赤みが残る例が多数観察された。何ら不自然ではない」と主張。捏造との指摘は「根拠がない」と反論した。

 橋下氏は「事件発生から57年、身体的拘束をもう47年受けられているわけですね」と言い、「民主国家の場合には、殺人の被害者、ご遺族は復讐(しゅう)できません。復讐する代わりに、それを刑事裁判に委ねる。いわゆる検察官は、ある意味、ご遺族の代理人として徹底的に事件を、容疑者を追及していく。僕はその検察官の役割というのは凄い分かります。分かるんですが、検察官が徹底的に争ってきた争点、証拠の評価については衣類5点なんですけど、シャツに着いた血痕、これみそタンクから出てきたんです。1年2カ月後に発見されたんですが、1年2カ月みそタンクに入っていると血痕、赤みが普通は消えるだろうというのが弁護側の主張。この衣類について、再審決定した裁判所の方で、この証拠は捏造の可能性が高いと言われたことに関して、検察はいや違う、その根拠はないと」と指摘。

 そのうえで「結局、証拠の評価のところで今、争いになるんですが、もう僕はここは再審決定のところで決着がついたんじゃないかなと」と言い、「だからDNA鑑定とかで明らかな客観的な証拠というもので有罪だというのだったら分かるんですが、証拠の評価のところは散々争われてきて結論出てきたんだから、僕は検察には、袴田さんが47年間、身体的拘束を受けてきたということを考えて、もう有罪立証を、ご遺族には申し訳ないけれども、有罪立証の方針というのは僕は取り下げるべきだと思います」と自身の見解を述べた。そして、「こういうことは検察の体質、これは体質の問題ですから、僕は政治が検事総長の人事をしっかりやって、こういう事件の時は有罪立証を争わないんだと、そういう検察組織にしてもらいたいなと思いますね」と話した。

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