カーク船長が本当に宇宙へ! ウィリアム・シャトナー氏が12日に民間宇宙ロケットに搭乗

[ 2021年10月5日 08:25 ]

90歳で宇宙に行くことになったウィリアム・シャトナー氏(AP)
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 1966年にテレビドラマとして始まり、アニメや映画などでも世界的な人気を誇った「スタートレック」で、宇宙船「USSエンタープライズ」に搭乗した「カーク船長」を演じた俳優のウィリアム・シャトナー氏(90=カナダ出身)が、12日にテキサス州ウエストから発進するブルーオリジン社の民間宇宙ロケットに搭乗することになった。

 ブルーオリジンシ社は、アマゾン社の創設者で会長でもあるジェフ・ベゾス氏(57)が設立した民間資本による航空宇宙企業。ベゾス氏は「スタートレック」の大ファンで、2016年公開の映画「スタートレック BEYOND」ではエイリアン役で出演しており、7月にはブルーオリジン社の最初の宇宙フライトの搭乗者にもなっていた。

 宇宙空間に滞在した最年長クルーは、このときの第1回フライトでベゾス氏とともに搭乗した元航空パイロットで宇宙飛行士の元候補でもあった女性のウォリー・ファンクさん(82)だったが、今回の打ち上げが成功すると「カーク船長」がこの記録を打ち破ることになる。

 「カーク船長」の招待はベゾス氏自身の“夢”をかなえる意味もあったようで、AP通信によればオファーを受けたシャトナー氏は「これは本当の話だ。私は“ロケットマン”になる。新しいことを経験するのに遅すぎるということはないのだ」とツイートしている。

 シャトナー氏は4人の搭乗者の1人で、他の3人のうち2人は25万ドル(約2800万円)と言われている有料搭乗者。ブルーオリジン社のロケットは自社開発で、カプセル状の宇宙船は打ち上げから約3分後にロケットから切り離されてさらに上昇。宇宙空間の始まりとされる高度100キロの「カーマン・ライン」を越えた後、放物線を描いて大気圏に再突入し、パラシュートを開いて発射した地点にほど近い場所に帰還することになっている。打ち上げから帰還まで約10分。スタートレックとは違ってわずかな時間の“宇宙旅行”だが、シャトナー氏は「カーク船長」となってから半世紀以上の年月を経て、本当に宇宙に旅立つことになった。

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