藤井棋聖 4二金右の一撃 渡辺王将の角の王手さえぎる「読みの深い手」

[ 2021年7月4日 05:30 ]

第92期 棋聖戦5番勝負 第3局 ( 2021年7月3日    静岡県沼津市・沼津御用邸東付属邸第1学問所 )

棋王戦第3局・第1図
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 本紙観戦記者で指導棋士五段の関口武史氏が印象に残った手として挙げたのは、渡辺角の王手をさえぎる後手4二金右(第1図)だった。「凄い大局観だし、読みの深い手」とうなった。

 「強固な6三銀、5二金の連結を自ら断つ一見、違和感のある手。でも3二金にヒモをつける方が価値が高いと判断した」。渡辺に与えたダメージは、次の一手への考慮時間に表れる。先手4二同角成に1時間29分。持ち時間のリードをはき出させた。

 昨年度の新手や妙手に贈られる升田幸三賞特別賞に輝いた後手3一銀。1年前、立場を変えて渡辺に挑戦した棋聖戦第2局で飛び出した。「金銀が動く将棋は強い。王周りの柔軟性が高い」。攻めだけでなく、守りも。藤井将棋の進化を我々は目の当たりにしている。

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