渡辺王将 ハイリターンを狙った△8八歩

[ 2020年2月21日 05:30 ]

第69期大阪王将杯王将戦 7番勝負第4局第1日 ( 2020年2月20日    神奈川県箱根町・ホテル花月園 )

A図(第1日のポイント)
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 【第1日のポイント 関口武史】第69期王将戦も折り返しの4局目を迎えた。後手番で引き離したい渡辺は、裏のエース戦法雁木(がんぎ)を採用。前局に続き力戦調の将棋で勝負をかける。

 広瀬も堂々と迎え撃つ。▲3五歩(第1図)と午前早々に積極的に動くと、渡辺は△8六歩~6五歩の新機軸で対応し前例のない戦いに突入した。

 本譜△8八歩(A図)とさらに踏み込む渡辺。▲同金と形を乱し△5三銀の活用はギリギリのラインを攻めるレーサーのようだ。

 ▲6五銀と桂馬を取ると△5五角▲3七銀△3六歩が厳しく後手優勢。

 シリーズ4局目にして渡辺が本格的に先攻する展開となった。
 実質2歩損というハイリスクを背負い、素早い銀桂の活用というハイリターンを求めた踏み込みが功を奏するか否か。(本紙観戦記者)

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