一夜で消えた街…世界遺産ポンペイの“最後の日”が変わる!「世界ふしぎ発見!」が世界初取材

[ 2019年6月28日 10:00 ]

解答者の黒柳徹子(左)と漫画家のヤマザキマリさん(C)TBS
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 29日放送のTBS「世界ふしぎ発見!」(土曜後9・00)で、南イタリアの世界遺産・ポンペイ遺跡の歴史的新事実を放送する。西暦79年ヴェスヴィオ山の噴火により一夜にして火山灰に埋もれた悲劇の街は、18世紀に発掘作業が始まり、300年経った今もなお発掘作業が続いている。昨年新たに発掘が開始された現場を海外メディアとして初めて取材し、歴史を書き直すほどの新事実を発見。超貴重な映像を、世界に先駆けて明かす。

 この噴火で犠牲になったのが博物学者・大プリニウス。29日の放送にゲストとして出演するヤマザキマリさん(52)が共同執筆中の漫画「プリニウス」の主人公として描かれ、この噴火で亡くなったとされている。その死は甥であり後継者の小プリニウスによって記録され、そこに記されている噴火の日取りは8月24日となっている。

 この記述に基づき、噴火は上流階級がバカンスで訪れる夏真っ盛りに発生し、多くの上流階級の人々が犠牲になったというのが定説に。8・24はポンペイ最後の日として今も語り継がれているが、最新の発掘によってその事実が覆されようとしている。

 これまで「世界ふしぎ発見!」では4回にわたりポンペイの歴史を取り上げてきたが、今回担当した阿部修英ディレクターが旧知の研究者にリサーチしたところ、昨年10月に噴火日に関する大発見があったことを確認。現地イタリア以外では公開されていない情報ということで、阿部氏は発掘現場の責任者に何度もアタックし、取材への熱意を伝えた。その熱意と、実績のある「世界ふしぎ発見!」の取材ということで特別に許可がおり、この発掘現場に海外メディアとして初めて足を踏み入れることに成功した。

 長い間、火山灰に埋もれていたため保存状態が良好で、当時の面影をそのまま残す。数多くの現場を見てきた阿部氏も「古代の遺跡というのは、通常墓に埋葬されているミイラだったり、亡くなったあとのものが多い。ですがポンペイでは直前まで生きていた人の、死ぬとは思っていなかった人々がそのまま残されている。そういう意味では、感じるものもちょっと違うかもしれません」とコメント。「日本人でそこに入ったのは、まだ僕らだけです」と話す今回の発掘現場については「観光地とは入り口が別で、観光側から見たらただの森です。火山のすぐ下で、溶岩がどんどん流れこんだところで一番ダメージが大きい。今までは保存のために手を出さなかったけれど、その森を掘ってみたら、今回の新発見が生まれたんです」と取材の様子を明かした。

 鮮明に残されていたその現場には「10月17日にオリーブオイルの瓶を受け取った」というメモがくっきり。噴火の8月より以後の日付が残されており、この日付が間違っていないことを裏付けるものも数多く発掘された。この新発見について阿部氏は「この地は、1910年頃から何度も映画化もされています。ローマ帝国というのは、ヨーロッパにとってはご先祖さまの一つの歴史。日付が変わるということは、これまでの映画が全部違ったということになっちゃいますね」と笑って話し「1000年以上は信じられていた日付。今までの定説を平気でひっくり返すので、古代遺跡は面白いです」と新発見に心を躍らせた。

 この歴史的発見を海外メディア初放送するにあたって阿部氏は「歴史番組という側面だけでなくクイズ番組でもあるので、子供にも興味を持ってほしい。ゴリゴリの歴史番組でなく、楽しんでみて欲しいという思いで挑みました。漫画家のヤマザキマリさんが出演してくれたのも大きい。古代ローマに精通している方なので、こちらがクイズ出しても何でも答えてしまうのではないか…と不安で、なるべく新発見の部分から出題するよう工夫しました。それによって知ってることもあり、知らなかったこともありで非常に魅力的なお話をしていただくことができました。普段とはまた違った『ふしぎ発見』になったのではないかと思います」と思いを語った。

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