浅利慶太さん ミュージカル文化を日本に定着、長野五輪開閉会式も演出

[ 2018年7月19日 08:10 ]

浅利慶太氏死去

長野五輪開会式後にプレスセンターで会見する、開・閉会式の総合プロデューサーの浅利慶太さん
Photo By スポニチ

 浅利さんの功績は数多くあるが、何といってもミュージカル文化を日本に定着させたことが大きい。1983年初演の「キャッツ」で日本初となるロングラン公演を成功させ、演劇の興行形態に変革をもたらした。98年の長野五輪では開・閉会式の総合プロデューサーを務めた。「日本の伝統と文化」「平和のアピール」「世界の連帯」をテーマに、横綱・曙ら、力士をアスリートたちの先導役に起用するなどして“日本らしさ”を世界にアピールした。

 世情に敏感な人でもあった。2008年9月15日に米証券大手のリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻。連鎖的に世界規模の金融危機が発生するや、その2週間後の同月29日にチケット代の値下げを発表。浅利氏は「原油も小麦も上がり、家計への負担感が強い今こそと思った」と値下げ断行の理由を説明。1万1550円のS席を9800円にし、子供料金が格安の「ファミリーゾーン」も導入。観客は増え、劇団四季の安定につなげた。

 ▼小澤征爾氏(長野五輪などの音楽)全く残念です。僕が一緒に仕事をしていた頃は、浅利さんの素晴らしいエネルギーにいつも感服していました。オペラ「蝶々夫人」や長野冬季五輪の開会式を、浅利さんの演出で一緒に作り上げたことはとても良い思い出です。

 ▼伊藤みどりさん(長野五輪で聖火点火)点火者をやるのはメダルを獲るより難しい。大きな経験をさせてもらいました。浅利さんがいなければ私の名前は挙がってきませんでした。

続きを表示

2018年7月19日のニュース