天野なつ、吉川千愛、上原あさみさん 歴代リーダーが語るLinQ

[ 2018年2月15日 11:02 ]

 九州、福岡を拠点とするアイドルグループ「LinQ」の2代目リーダー、天野なつ(24)が先月20日に卒業を発表し、3代目リーダーに吉川千愛(23)が就任した。そこで今回は初代リーダーで現在はIQプロジェクト新人育成プロデューサーの上原あさみさん(31)らLinQの歴代リーダーが集結。リーダーの難しさや、これからのグループについて語った。

 ◆天野なつ「人間として成長できた」

 天野が大きな決断を下した。自身のケガの状態と11人のLinQに今後を託したい思いから、今年に入り卒業を決めた。6月9日の卒業公演をもってLinQから巣立つ。

 「応援してくれた人にも、ステージで感謝を伝えていきたい」

 11年4月に1期生として活動開始。13年2月には2代目リーダーに就任した。人の先頭に立つこと、思いを伝えることは苦手だったが、グループを大きくするため献身的に活動してきた。そんな中、昨年4月のライブリハーサル中に負傷。「右膝前十字じん帯損傷」で全治6カ月と診断された。「思うように体を動かせないことは、こんなに不自由なんだと思った」。懸命なリハビリを重ねて、ジャンプができるまでになった。動きが激しくない曲ならダンスもできる状態まで回復した。

 卒業前の4月にはエンターテインメント活動を通じて、自己の可能性を九州から全国に発信していく「IQプロジェクト」から誕生したトキヲイキルの舞台「燈火の中、貴方を想ふ」(ともしびのなか、あなたをおもう)にレギュラー出演する。

 自身初の舞台。きっかけは、昨年10月の旗揚げ公演「小さなカフェの片隅から」の初日、千秋楽を観劇したことだった。舞台はもともと好きだったが、ともに活動してきたメンバーの演技に大きな刺激を受けた。「こういう形でも、やっていける勇気をもらった。LinQじゃなくなっても、何かができるかもしれない気持ちになれた。どこまでできるか分からないけど、挑戦したい」と目を輝かせる。

 6年9カ月の活動を振り返り、「凄く自信になった。人間として成長できたと思う」と充実感を胸に新たなステージに挑む。新リーダーは「LinQの愛は一番強い」という吉川に託した。「まだまだみんなの魅力、ベストはこんなもんじゃないと思う。出していってほしいと思います」と新生LinQの11人に期待した。

 ◆吉川千愛「若い力に負けられない」

 重圧と大きな夢を抱きつつ、3代目リーダーになった吉川千愛(ちあき)の挑戦が始まった。

 昨年8月に11人の新体制となり、リーダー不在だったグループを最年長として引っ張ってきた。今回のリーダー就任には「私でいいのかな。ファンはどう思うだろう。深く考えるタイプなので」と葛藤とプレッシャーを感じている。

 転機となったのは昨年9〜12月に東名阪と九州で3カ月間に渡って行ったツアー。計47公演を完走し、リーダーとしてやっていく自信をつけた。「なっちゃん(天野)の思いを受け継ぎたいと凄く感じた。千愛なら信頼して任せられると言ってくれた。自分がやっても後悔はしないだろうと思った」と力強く話す。

 天野に対してはリハビリ中に「まだ残ってほしい気持ちがある。新体制になっても帰ってこれる居場所はつくっておくからね!」とLINEでメッセージを送り、上原さんや他のメンバーとお見舞いに行くなど、気にかけていた。天野は卒業の道を選んだが、「気持ちを伝えられて良かった」と感じている。

 両親からは「あんたはリーダーっぽくない」と苦笑されたという。その一方で「リーダーで引っ張る経験はいい経験になると思う」と背中を押された。11人の新体制になり、目標はマリンメッセ福岡の舞台に立つこと。そのためには副リーダーになった新木さくらとともに、より結束を固めたい。家では2匹のハムスターに癒やされている吉川は「若い力に負けられない。ちゃんと作り込みたい」と意欲的だった。

 ◆上原あさみさん「らしさを忘れずたくましく」

 初代リーダーとして2年間けん引した上原さんは、卒業後に裏方業に転身。現在は新人育成を担当し、グループを支えている。

 「未来のプロジェクトチームの育成を任されたので、どんどん人材を送り出したい」

 LinQの立ち上げ当初からメンバーとして活躍し、運営スタッフも兼ねていた。創設メンバーのオーディションでは受付を担当した。「アサミン」と呼ばれていたが、姉御キャラクターから、いつしか「総長」とファンから愛された。「メンバーを直接、怒ったことはないと思う。私の方が(スタッフに)ガンガン怒られて、みんなが助けてくれてましたね」と現役時代を懐かしがる。

 卒業する天野については、「4年間、つらいこともたくさんあったと思うけど、らしさを忘れずたくましくなった」と語る。天野がリーダーを引き継いだ当初はあえて言葉をかけず、成長する姿を見守ってきたという。

 16年12月から解体・再開発プロジェクトマネジャーを任され、次世代のLinQを担う人材を育成中。昨年12月の年末感謝祭に出演したBudLaB(バドラブ)、小学生を対象としたLinQキッズなど、芽は育ってきている。今後さらに力を注ぐ。

続きを表示

2018年2月15日のニュース