夏木陽介さん死去 81歳「青春とはなんだ」「Gメン'75」などで活躍

[ 2018年1月19日 05:30 ]

夏木陽介さん(1998年撮影)
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 「青春とはなんだ」など1960年代の青春学園ドラマの先駆け的作品に主演し「Gメン’75」などダンディーな二枚目俳優としても活躍した夏木陽介(なつき・ようすけ、本名・阿久沢有=あくさわ・たもつ)さんが14日に腎細胞がんのため都内の病院で死去した。19日未明、夏木さんのブログで発表された。81歳。東京都八王子市出身。ラリードライバーとしても知られた。

 昨年8月9日までブログで近況を報告していた夏木さんだが、その後は更新がなくファンを心配させていた。関係者によれば、今月14日に息を引き取ったという。

 2009年に軽い脳梗塞を起こし、翌10年3月には左腎臓にがんが見つかって摘出手術を受けるなど、この10年ほどは病気との付き合いが続いた。

 それでも一昨年には東宝のOBたちが集う会に元気な姿を見せ「自分の生まれた年(36年)に製造されたクラシックカーで北京―パリ間を走るレースに参加したい」と話すなど、穏やかな日々を送っていた。

 事務所関係者によれば、昨年11月に肺炎で入院。回復して退院したが、翌12月に再び体調を崩して再入院。今年に入って一進一退を続け、14日に親族にみとられて亡くなった。

 夏木さんは58年に東宝に入社し、黒澤明監督の「用心棒」などに出演。映画界の斜陽化が進むと、テレビに重心を移し、65年にドラマ「青春とはなんだ」に教師役で主演。これが好評で、翌66年には映画「これが青春だ!」にも波及。一連の作品は学園ドラマの先駆けとなり、夏木さん自身もスターの階段を駆け上がった。その後、「用心棒」で共演した三船敏郎さんに請われて三船プロに入り、TBS「Gメン’75」(75〜79年)などドラマを中心に活躍した。

 事務所スタッフは「三船敏郎さんを尊敬しており、“用心棒”で共演できたことを誇らしく思っていました」としみじみ。俳優仲間で12年に亡くなった佐藤允さん(享年78)の追悼本を出版しようと佐藤さんの息子と相談していたところだったという。

 82年に個人事務所「夏木プロダクション」を設立し、賀来千香子(56)ら後進の育成にも力を注いだが、14年に高齢を理由に事務所を解散。15年に「オフィス夏木」を設立して仕事を続けていた。生涯独身を通した。葬儀は近親者のみの密葬で執り行うという。

 ◆夏木 陽介(なつき・ようすけ)1936年(昭11)2月27日生まれ、東京都八王子市出身。明治大学在学中にモデルにスカウトされ、58年の卒業後に東宝に入社。同年、映画「美女と液体人間」でデビューし、石原慎太郎氏が監督した「若い獣」や黒澤明監督「用心棒」など話題作に続々と出演。ドラマ「青春とはなんだ」「荒野の用心棒」「Gメン’75」などでも活躍した。近年はテレビ朝日「スシ王子!」や、フジテレビのバラエティー「アウト×デラックス」に出演し話題になった。

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