「火花」新構想で舞台化 又吉直樹、観月ありさが本人役で出演「核心迫る」

[ 2018年1月19日 05:30 ]

舞台「火花」で主演する観月ありさ
Photo By 提供写真

 「ピース」又吉直樹(37)の芥川賞受賞小説「火花」が舞台化される。16年の林遣都(27)主演のドラマ版と昨年の菅田将暉(24)主演の映画版は、先輩芸人に弟子入りした漫才師の物語を小説そのままに表現してきたが、舞台版では女優の観月ありさ(41)を本人役で主演に据える異色作となる。

 舞台は冒頭、観月が同じく本人役として出演する又吉を訪ね「火花は私が書いたことにしてほしい」と要求する。舞台上で原作を踏襲した物語が展開される中、観月は自分の視点に立って物語を語ろうとするが、又吉が場面ごとに込めた思いを知るにつれ、その精神世界にひかれていく。

 この斬新な構想について、関係者は「映像化が続き誰もが中身を知っている中、第三者の目線をからめることで、作者の込めた思いや作品の核心に迫る狙い」と説明する。

 観月は女優としてのキャリアに加え、フジテレビ系トークバラエティー「キャサリン三世」(12〜13年)で又吉とともに司会。私生活でも親交が深く白羽の矢が立った。2人は舞台初共演となる。

 観月は「ひょうひょうとした方ですが、作家さんならではの独特な物の見方が面白いと思っている」と又吉を評する。原作も芥川賞受賞直後に又吉から寄贈され読破。「又吉さんの実話なのかな?と思いました。芸人を辞めた方や頑張って続けている方、いろんな方の思いが書かせたのかなと感慨深く読ませていただいた」と話す。

 舞台化に際して「不思議なシチュエーションですが、舞台ならではの火花の面白さを伝えられるように頑張りたい」と意気込む。又吉は「面白い仕掛け。この舞台がもしかしたら一番、火花に新しい光を当ててくれるんじゃないか」と大きな期待を寄せている。東京公演は3月30日〜4月15日まで新宿・紀伊国屋ホールで。

 ≪“先輩”神谷役はノンスタ石田≫物語本来の主人公である漫才コンビ「スパークス」の徳永を演じるのは、06年「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でファイナリストになった、俳優の植田圭輔(28)。徳永が心酔する先輩の神谷は、お笑いコンビ「NON STYLE」の石田明(37)が演じる。植田は、「自分にしかできない徳永を妥協せず、精いっぱいぶち当たっていきたい」とコメントした。

続きを表示

この記事のフォト

2018年1月19日のニュース