事件のその後、医療現場…フジテレビ ドキュメンタリー番組に視聴者高評価

[ 2017年12月22日 15:43 ]

フジテレビ
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 フジテレビのドキュメンタリー番組が最近、好評を博している。

 きっかけは10月7日に放送された「衝撃スクープSP 30年目の真実〜東京・埼玉連続幼女誘拐殺人犯・宮崎勤の肉声〜」。1988年から89年にかけて起きた連続幼女誘拐殺人事件の犯人の肉声をフジが独占入手、ドキュメンタリードラマに仕上げた。当時世間を震撼させた事件とあって大きな注目を集め11・4%の平均視聴率を記録した。

 データニュース社(東京)が行なっているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(対象2400人)によると視聴者の評価も高く、「犯人の肉声など、今までのネットの噂とは違っていて見入ってしまった」(31歳男性)、「幼心に衝撃的な事件でした。二度とこういった犯罪が起こらないでほしいです」(39歳女性)、「なんとなく知っていた事件だったけど、こんなにも凄惨なものだったことを初めて知った。事件を風化させないためにもいい番組」(24歳女性)など、事件をあらためて考えさせるきっかけとなり、事件を忘れてはならないという意見が多く、番組の満足度も3・85(5段階評価)と高満足度の基準3・7を超えた。

 さらに同じ10月、関東地区で前後編に渡って放送された「ザ・ノンフィクション 人殺しの息子と呼ばれて…」(「ザ・ノンフィクション」は関東地区で毎週日曜14時から放送)は、後編の視聴率が10・0%と同番組で約7年ぶりの2桁をマーク。その評判を受けて12月15日にはゴールデンタイムでその再編集版が全国ネットで初めて放送されるなど話題となった。

 02年に発覚した北九州連続監禁殺人事件の犯人の息子に初めてメディアがインタビューを行なったドキュメンタリー。「なかなか加害者の家族のその後は取り上げられないので興味深かった」(38歳女性)、「衝撃的なタイトルですが、とても真摯な丁寧な番組でよかった」(42歳女性)、「観ていてつらかったけど加害者家族の気持ちが初めてよくわかって少しでも世間に理解されればいいと思った」(40歳女性)など、番組でしか知ることができない“加害者家族”について、その一端を肉親の声と共にリアルに伝えたと評価する意見が多く、前後編とゴールデン帯放送分の平均満足度は3・92とこちらも高数値を記録した。

 12月10日には北里大学病院の医師たちに密着した「ニチファミ!・命の最前線!!救命救急24時〜巨大病院 終わりなき闘い〜」(「ニチファミ!」は毎週日曜19時から)が放送され満足度4・00を獲得、同時間帯で放送していたTBSのドラマ「陸王」第8話の4・01に迫る高数値を記録した。

 ドキュメンタリーはNHKの独壇場というというのが現在の流れだが、フジの視聴者からの高評価は注目に値する。テレビには笑いもドラマも必要だ。一方で脚色のない世界の説得力は何ものにも勝る強さがある。切り取り方によっては誤解を受けかねないリスクもありながら、粘り強い取材を重ねて評価されるものを届ける。18年はより深く、今伝えなければならないことに真正面からぶつかってほしい。

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2017年12月22日のニュース