「陸王」最後の異色配役は瀬古利彦氏!伝説のランナーが“志願”のドラマ初出演「まさか」

[ 2017年12月22日 06:00 ]

日曜劇場「陸王」でドラマ初出演する瀬古利彦氏(C)TBS
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 現役時代に伝説の記録を残し、日本の陸上長距離界をリードした1984年ロサンゼルス五輪マラソン代表で、現在は横浜DeNAランニングクラブの総監督を務める瀬古利彦氏(61)が、TBS日曜劇場「陸王」(日曜後9・00)の最終回(24日)にゲスト出演することが21日、分かった。瀬古氏はドラマ初出演。エッセイストの阿川佐和子氏(64)やスポーツキャスターの松岡修造氏(50)ら異色のキャスティングが話題になってきたが、“最後のピース”が判明。「ドラマが始まった時から注目し、機会があれば是非、出演したい!と思っていました」という“志願出演”が実現し、感動の最終回を盛り上げる。

 昨年7月に発売された作家・池井戸潤氏の同名小説(集英社)をドラマ化。同局による池井戸氏作品のドラマ化は「半沢直樹」(2013年10月クール)「ルーズヴェルト・ゲーム」(14年4月クール)「下町ロケット」(15年10月クール)に続き、4回目。いずれも日曜劇場枠の4作品を通じ、歌舞伎役者、落語家、お笑い芸人など“異業種”の才能を次々と抜擢したのをはじめ、さわやかなイメージの小泉孝太郎(39)を「下町ロケット」のヒール役に起用するなど、サプライズ配役が“お家芸”になっていた。

 「陸王」最後のサプライズは、1970年代後半から80年代に宗茂・宗猛兄弟、中山竹通らと名勝負を繰り広げ、マラソンブームを牽引した第一人者・瀬古氏だった。

 高校時代から本格的に陸上競技を始め、インターハイ800メートル、1500メートルと2年連続2冠。早大に進学し、箱根駅伝は4年連続して“花の2区”を走り、3年、4年時に区間新記録。スーパーエースとして活躍した。現役時代のマラソン戦績は国内外15戦10勝と、圧倒的な強さを誇る。昨年からは日本陸連のマラソン強化・戦略プロジェクトリーダーとして、2020年東京五輪に向け、日本マラソン界の再建を図っている。

 経営危機にある創業100年以上の老舗足袋業者・こはぜ屋が会社存続を懸け、ランニングシューズ“陸王”の開発に挑む企業再生ストーリー。瀬古氏が演じるのは、こはぜ屋の4代目社長・宮沢紘一(役所広司)の長男・大地(山崎賢人)が就職活動で最終面接に挑む会社「メトロ電業」の企画部長・桐山役。大地の面接官として“陸王”作りの話に耳を傾ける。

 瀬古氏は毎年元日に開催される「ニューイヤー駅伝」の解説者を務めた12、13年など、実況を担当した同局・初田啓介アナウンサー(47)と意気投合。以後、深い交流がある。今年10月に「陸王」がスタートした後、初田アナと会う機会があった瀬古氏は「僕も『陸王』に出演してみたいな…」と冗談半分に漏らした。初田アナが真剣に受け止めると、伊與田英徳プロデューサーに話が伝わり、今回、奇跡的にスケジュールが合ってドラマ初出演が実現した。

 撮影は最終回放送の3日前、21日に東京・千代田区の学士会館で行われた。瀬古氏は「ドラマが始まった時から注目し、機会があれば是非、出演したい!と思っていました。最終回が近づき、あきらめかけていたのですが、まさか、このタイミングで実現するとは!光栄です!」と大喜び。竹内涼真(24)演じるダイワ食品陸上部の長距離ランナー・茂木裕人は「まるで自分の現役時代のようだと感情移入して見ていました」と共感し「このドラマを通じて、日本の陸上長距離、そしてマラソンに再度、注目が集まることを願ってやみません。そして元旦には本物の『ニューイヤー駅伝』も是非、見てくださいね!」と呼び掛けた。ランナーとしての経験を生かし、瀬古がどのような熱演を披露するのか、注目される。

 24日は最終回の直前、午後7時から2時間枠を緊急特別編成。イブの夜は2時間のダイジェスト+25分拡大の最終回で、約3時間半をぶち抜き。「陸王」一色となる。

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2017年12月22日のニュース