川栄李奈 就活生にエール「迷ったら直感で…」

[ 2017年8月1日 15:52 ]

特別ゲストとして登場した川栄李奈(中)は参加した学生たちと記念撮影に納まり笑顔
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 元AKB48で女優の川栄李奈(22)が、福岡市内で開催された学生を対象とした就活イベント「CAMP SUMMIT 2017〜はたらくを楽しむ人の流儀〜」で特別講師を務めた。約100人の学生を前に、芸能界というフィールドで実践してきた仕事や独自のキャリアの考え方などを真剣に語ると同時に、就職に不安を抱えている学生にエールを送った。(東山 貴実)

 真剣に、そして熱く語るその姿は、“おバカキャラ”で売っていたAKB時代とは180度違っていた。AKB卒業後に本格的に女優業をスタートさせた川栄は「女優になって、いろんな役どころを演じなければならないので、今は隠しています。“おバカキャラ”が強すぎると、見ている人がお芝居やドラマに感情移入できないから」と照れ笑いした。

 全国5都市で開催される今回の就活イベントに特別講師として招かれたのは、川栄がアイドル時代から「女優になる」という目標を持ち、世間が抱くイメージの裏で着実に準備と努力を重ねてきた経験談が、就活を控えた学生に有益と見込まれたからだ。

 歌とダンスが苦手でAKB時代はなかなか心から楽しめなかったという川栄。その中で出合った“演じる”いう仕事。トップアイドルからの勇気ある転身に、「女優は違う自分になれるのが楽しい。“楽しいことをしていたい”という性格なので、不安より、むしろポジティブな気持ち。自分が本当にやりたいことがあるなら挑戦しよう、後悔はしたくないという思いが強かった。半面、失敗してもどうにかなるだろう、と。その判断は100点だったと思います」と振り返った。

 新卒で入社した人たちの30%が3年以内に離職すると言われる昨今。また、米国ギャラップ社が公開した調査結果によれば、日本の労働人口約6500万人のうち、働くことを楽しめている人はわずか6%。これは世界139カ国中132番目で、世界最低水準ともいえる。今や女優として各方面から高い評価を受ける川栄は「“働いている”という感覚はない」と言うが、これこそ「6%」の幸福な労働者の証だろう。

 就職を考える上で非常な重要な要素となる「10年後のキャリア」に関しては、子育てしながら仕事を続けるカッコいいお母さん。「カッコいい大人とは、凄く自分に余裕がある人。自分もそういう人間でありたい」と理想を描いた。

 最後には、自身の仕事に流儀に基づき、参加者に熱烈エール。「(職種や会社選びで)迷った時は、多分、直感で選んだ方が本当に自分がやりたいこと。もし、最初はやりたいことができなくても、現状を受け入れることで、次に進めたり、楽しいことも見つかる。ひたすらつらいなと思ってやるのは自分のためにもならない。何か行動することで必ず変わります」。メモを取る学生のペンにも自然と力が入った。

 《憧れは満島ひかり》川栄の憧れの女優は、AKB時代に共演した満島ひかり。「オンとオフの切り替えができる方で、凄くおちゃめで明るい。(見た目との)ギャップがすてきですね」。満島は安室奈美恵を輩出した沖縄アクターズスクール主催のオーディションに合格し、97年に7人組ユニット「Folder」でデビュー。「境遇が似ているところがありますね。女優になってアイドル感を必死に消そうとしていたら、“君、無愛想だね”と言われたり、裏目に出たこともあったそうです」と、親近感を口にしていた。

 《始球式に気合十分「全力投球する」》川栄は1日のプロ野球、オリックス―ソフトバンク戦(京セラドーム)で始球式を務める。オリックスグループ企業CM「水族館」篇に川栄が出演していることが縁で白羽の矢が立ち、川栄は「私の父親は野球が大好きで、その影響で私も小さい頃からテレビなどでプロ野球を見させていただいていたのですが、自分がそのマウンドに立つことになって本当に驚いています」とコメント。それでも大舞台はお手のもの。「こんな特別な機会はめったにないので、精いっぱい全力投球で頑張らせていただきます」と気合十分だった。

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