「死刑台のエレベーター」仏の伝説的女優ジャンヌ・モローさん死去

[ 2017年8月1日 05:30 ]

死去したフランスの女優ジャンヌ・モローさん=2003年撮影(AP)
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 映画「死刑台のエレベーター」「雨のしのび逢い」などで知られ、フランス映画界を代表する女優ジャンヌ・モローさんが、パリの自宅で死去した。31日、現地メディアが報じた。89歳だった。

 共同電によると、31日朝、自宅を訪れた家政婦が、倒れているモローさんを見つけたという。死因は分かっていない。

 1928年に飲食業の父と英国人ダンサーの母の間に生まれ、国立高等演劇学校で演技を学んだ後、40年代に映画デビュー。美貌と卓越した演技力、独特のハスキーな声で映画ファンを魅了した。

 映画刷新運動ヌーベルバーグ(新しい波)が起きた50〜60年代に、「死刑台のエレベーター」(57年)でルイ・マル監督、「突然炎のごとく」(62年)でフランソワ・トリュフォー監督らと組んで数々の名作を生み出し、映画が革新だった時代のミューズ(女神)となった。

 「雨のしのび逢い」(60年)でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞。映画界への多大な貢献に対し、03年には同映画祭でパルム・ドール名誉賞を授与された。

 12年に「クロワッサンで朝食を」で10年ぶりに主演。晩年まで女優や映画祭の審査員として活躍した。

 恋多き女としても知られ、俳優の故ジャンルイ・リシャール氏やウィリアム・フリードキン監督(81)と結婚、離婚したほか、ファッションデザイナーのピエール・カルダン氏(95)との同棲も報じられた。

 日本でも親しまれ、63年にはフジテレビのトーク番組「スター千一夜」に出演。14年にキネマ旬報が行ったアンケートではオールタイム・ベスト外国映画女優の3位となり、長年愛され続けた。

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2017年8月1日のニュース