菅田将暉 パワーの源は服作り 秘密のアジトで無心になり一針一針

[ 2017年6月13日 10:30 ]

夢中論 菅田将暉(上)

映画やドラマで変幻自在に役をこなす菅田将暉
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 個性的な役柄を演じ分け、映画にドラマにCMに引っ張りだこの菅田将暉(24)。「今、日本一忙しい俳優」とも言われるほど多忙な生活を送る中、パワーの源としているのが服作りだ。「仕事終わりのミシンは最高」と、夜な夜な友人と一緒に無心で布に針を通す。服作りのこだわりは、役作りにも相通じている。

 仕事終わりの午後7時半。向かった先は「秘密のアジト」と呼ぶ、都内マンションの一室だ。部屋にはアパレルブランドで働く家主の友人。菅田は東京・新宿の手芸用品専門店オカダヤで自ら購入した「別珍」という特殊生地を床に広げた。「さあ、始めるか」。作るのはボタンダウンのシャツだ。

 「生地自体が凄くかっこいいから、何か作ろうと思った。ちょうど誕生日を迎える知り合いがいるので、シャツにして贈りたい」

 まずは設計図となる型紙作り。服作りのプロであるパタンナーの友人に「丈が長すぎるね」と指摘され、描き直し。ようやく完成した型紙を生地に当てはめ、歯が円盤状のロータリーカッターで裁断していく。

 「でも、ここからが大変。別珍ってツルツルしていて縫いづらいから」

 床に座り込んで手縫い。仕上げに使うのは愛用のJUKI社製とブラザー社製のミシンだ。友人に「ここは2センチでいい?」と聞き、2センチの返し縫い。縫合中の菅田は集中力が凄く、まばたきの回数が異様なほど少ない。

 完成したのは午前3時。仕事で多忙を極めただでさえ睡眠不足なのに、眠そうな様子はない。

 「針の動きを追っていると余計なことを考えずに済んで、逆に脳が休まるんです。僕がミシンでダダダダってやるのは、みなさんが仕事明けにビールでプハーッとのどごしを味わうのと同じ」

 服作りを始めたきっかけは明石家さんま(61)へのプレゼントだった。昨年1月にフジテレビ系「さんまのまんま」に出演した際、自作のスカジャンを贈った。服好きとして古着を贈ることも考えたが、服作りを生業とする友人と知り合った時期と重なったこともあり、教わりながら1週間かけて作った。

 「インパクトのある物がいいと思って、初めて服を作ってみた。布が洋服になる過程が楽しくてハマっちゃいました」

 これ以降、小栗旬(34)山田優(32)夫妻の長女(2)に子供用ワンピースを贈るなど約20着を作った。一緒に服作りしている友人は4人。会話アプリのLINEで「別珍ボーイズ」のグループ名で連絡を取り合っていて、主に菅田が誘う。

 ◆菅田 将暉(すだ・まさき)1993年(平5)2月21日、大阪府生まれの24歳。08年に「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でファイナリストに選ばれ、芸能界入り。09年にテレビ朝日「仮面ライダーW」で俳優デビュー。13年、主演映画「共喰い」で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。昨年は映画9本、ドラマ5本に出演。3人兄弟の長男。1メートル76。血液型A。

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