菅田将暉 服作りと結びつく役作り 妥協せずストイックに

[ 2017年6月13日 10:40 ]

夢中論 菅田将暉(下)

服作りについて熱く語る菅田将暉
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 個性的な役柄を演じ分け、映画にドラマにCMに引っ張りだこの菅田将暉(24)。「今、日本一忙しい俳優」とも言われるほど多忙な生活を送る中、パワーの源としているのが服作りだ。「仕事終わりのミシンは最高」と、夜な夜な友人と一緒に無心で布に針を通す。服作りのこだわりは、役作りにも相通じている。

 もとは服に興味はなく、一日中同じユニホームを着ているようなサッカー少年だった。転機は中学2年。友人の父親の影響でストリートダンスを始め、ファッションに目覚めた。

 「背も小さくて全然モテなかったから、色気づいて、ヒップホップのダボダボな服を着るようになった」

 高校になると背も伸び、自分でも「バズった」と振り返るほどモテた。目的は果たしたが、服への興味は増すばかり。「今でも古着屋巡りをします」。ついには服好きが高じ、作るまでになった。

 仕事では、役を作り込むことに全精力を傾ける。正義のヒーローや問題児、ホストなど漫画チックなものからシリアスな役まで幅広く演じ分けている。女装男子を演じた映画「海月(くらげ)姫」(14年)では、骨盤矯正までして取り組んだ。

 「だって恥ずかしいじゃないですか。骨格と関節が男だから、あのままじゃ“汚ねえ”って思われる。プロの整体師に矯正してもらってウエストの位置が上がって、なんとか女性っぽくなった」

 ひょうひょうとしているように見えるが、仕事に趣味に実にストイック。そして次に打ち込むのは、歌だ。7日に「見たこともない景色」でCDデビューした。サッカー日本代表の応援ソングだ。

 「応援ソングを歌うのに“おまえが頑張れよ”って言われたら終わり。だから僕は僕なりに持てるものをすべて出して、汗をかいて歌った。頑張っている人に対して一緒に頑張りましょうっていうメッセージを込めた」

 服だけではなく、自分をつくり上げることが好きだ。服装は時に常人では理解できないほど奇抜だが、表現者としてもとことん打ち込み、常識の殻を破って求められているものに近づいていく。設計図をしっかり描きながら、これからも「菅田将暉」を仕立てていく。

 ≪浦ちゃんに続け!!紅白出場≫「見たこともない景色」は「鬼ちゃん」として出演中のau三太郎シリーズのCMソング。同シリーズでは昨年、浦島太郎を演じている桐谷健太(37)が歌手デビューし、NHK紅白歌合戦に初出場した。菅田に紅白への意欲を聞くと「それこそ出場できたら“見たこともない景色”ですね」と曲名をPRしながら“座布団1枚”な返し。「そうなったらまた取材してください」と、人懐っこい笑みを浮かべた。

 ◆菅田 将暉(すだ・まさき)1993年(平5)2月21日、大阪府生まれの24歳。08年に「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でファイナリストに選ばれ、芸能界入り。09年にテレビ朝日「仮面ライダーW」で俳優デビュー。13年、主演映画「共喰い」で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。昨年は映画9本、ドラマ5本に出演。3人兄弟の長男。1メートル76。血液型A。

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