松尾スズキ氏伝説舞台「業音」15年ぶり再演!主演は平岩紙「特別な作品」

[ 2017年5月26日 12:00 ]

15年ぶりに再演される舞台「業音」のビジュアル。前列中央が松尾スズキ氏、前列左から2人目が平岩紙
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 俳優の阿部サダヲ(47)や宮藤官九郎(46)らが所属する人気劇団「大人計画」を主宰する劇作家・松尾スズキ氏(54)の伝説的作品「業音」が今年8〜9月に15年ぶりに再演される。

 初演は2002年10月(東京・草月ホール)。悲劇をテーマとし、松尾氏が作・演出をするプロデュース公演「日本総合悲劇協会」vol.3として上演され、荻野目慶子(52)の体当たりの熱演が話題を呼んだ。

 限りなく深い人間の“業”の闇…。演歌歌手として再起を目指す元アイドル(荻野目)を主人公に、不幸が不幸を呼び、負の連鎖が奇怪にうねる。介護や宗教など、現代社会が抱える問題を余すところなく描き、悲劇性と喜劇性が見事に融合する作品となった。

 再演は「日本総合悲劇協会」vol.6。荻野目が演じた落ちぶれた元アイドルに平岩紙(37)が挑む。出演は松尾氏、平岩をはじめ、大人計画のメンバー・池津祥子(47)伊勢志摩(47)宍戸美和公(51)宮崎吐夢(46)皆川猿時(46)村杉蝉之介(51)、ダンサー・康本雅子(43)+エリザベス・マリー(28) (ダブルキャスト)が出演。10月5〜7日には「大人計画」初の海外公演となるパリ公演を行う。

 15年ぶりの再演について、松尾氏は「“わかっちゃいるけどやめられない”という人間の持つ“業”を、悲劇性と喜劇性が一緒くたになったような混沌の世界の中で描きます。“神とは何か”という壮大なテーマになっていきますが、笑いの中でそれをどう見せていくかということにチャレンジしてきます」と意欲。より普遍性を高めた物語へ改訂するという。

 平岩は初演時、芸能界を夢見て上京したものの、体を売ることでしか生きられない堕落した兄妹の妹を演じた。今回は主演を務めるが「初演の時、荻野目慶子さんが演じていた役を演じることを現実的に考えられる年齢に、自分がやっとなったかなと思います。役者として重ねてきた年月を経て、ようやく向き合える役だと思います」とコメント。

 「松尾さんの作品の中でも、とっても特殊で、特別な作品だと思います。1つだけ浮いている感じがします。荻野目さんの存在がとても大きい舞台で、荻野目さんの空気の中で演じていた感じがします。不思議なふわふわした作品というか、特別ですね」と大切な演目だと語った。

 現在はテレビ朝日「女囚セブン」(金曜後11・15)にレギュラー出演。スポーツキャスターの松岡修造氏(49)と共演する消臭剤「ファブリーズ」のCMでもおなじみだが「いつも私たちをテレビでしか見ていない新しいお客さまにも、毎回大人計画の作品をご覧いただいて昔からのお客さまにも、みんなに見ていただきたいです。久しぶりに劇団員の先輩方とやれるので、大人計画という劇団がどういったところで、どんな作品を上演するのか、ということを知っていただき、いろんな視野のお客さまに見ていただきたいです」と呼び掛けている。

 公演日程は以下の通り。

 <東 京公演>8月10日(木)〜9月 3日(木)=東京芸術劇場シアターイースト

 <名古屋公演>9月13日(水)〜9月14日(木)=青年文化センター・アートピアホール

 <福 岡公演>9月16日(土)〜9月18日(月・祝)=西鉄ホール

 <大 阪公演>9月21日(木)〜9月24日(日)=松下IMPホール

 <松 本公演>9月29日(金)〜9月30日(土)=まつもと市民芸術館・実験劇場

 全公演、チケット一般発売日は6月3日(土)。

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