斉藤由貴「真田丸」現場はジャズ 夫・内野聖陽は「本当に“バカ”」

[ 2016年10月15日 08:10 ]

大河ドラマ「真田丸」で徳川家康(内野聖陽)の側室・阿茶局を演じる斉藤由貴(C)NHK
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 NHK大河ドラマ「真田丸」(日曜後8・00)で、徳川家康の側室・阿茶局を演じる女優の斉藤由貴(49)。作中でも家康に物を言える数少ない登場人物の1人として描かれ、そこには俳優の内野聖陽(48)演じる家康に心から惚れる姿があった。徳川家の面々と芝居をする楽しさ、そして現場で起きる愉快なエピソードを明かした。

 豊臣秀吉(小日向文世)亡き後、ますます勢いを増す家康。第40話「幸村」(10月9日放送)では豊臣家の家臣・片桐且元(小林隆)に無理な要求を突き付けるなど、いよいよ豊臣家を追い詰めていく。今でこそ狡猾な姿が描かれるが、物語序盤では周囲に臆病な姿を見せることも多かった家康を初期から支え続けてきたのが阿茶局だった。

 普段は優しく寄り添う姿が描かれるが、第12話「人質」(3月27日放送)では真田家と上杉家が手を結んだことを知った家康に「(真田家を)おつぶしになったら、いかがですか?」と進言するなど、時には発破をかけることも少なくない。

 様々な表情を見せる役柄だが、斉藤の見方はあくまで単純明快だった。「私のとらえ方はすごくシンプルで、大将であったり武将であったりする前に、1人の男としての徳川家康という人間に惚れて、その男のために自分の全身全霊をもって尽くすということを決心している女性です」

 「もちろん自分の愛する男に天下人となってほしいし、その可能性がある男ならば届いてほしいというのが大きいです。それは寧(北政所、鈴木京香)もそう考えていたと思うし、トップの武将の傍に仕える女であれば誰しもが考えることだと思うんです」と武将の妻として戦国時代を生きる女性の心中を思いやった。

 それでも「家康という人の小心さとか、小賢しさみたいなものも知っていて“この人は(天下人として)どうかなぁ”という気持ちも多少あります。でも阿茶局として、女として、自分の男に頂点をとってほしいというエゴを通しているところもあるのかなと思ったりもします」。すべては家康の強さも弱さも含めた愛情からくる行動だった。

 登場シーンの多くは忠臣・本多正信(近藤正臣)ら徳川ファミリーに囲まれての出演。「(撮影現場は)和やかな感じだし、変に気を使ってどうのこうのというのはないです。皆共通しているのは面白い芝居をしたいということです。特に(脚本の)三谷(幸喜)さんに選ばれる役者って基本的には舞台畑というか、本当に純粋に俳優という仕事が好きなので、ある意味とても自分らしく振る舞えます」と現場を楽しむ。

 特に一番多くの時を過ごす内野に対しては「本当にバカなんですよ」と笑いながら「ただのバカじゃなくて、役者バカなんです。徹頭徹尾、芝居のことしか考えていない。自分がどうしたら家康として役柄を深められるか、家康を面白くできるか、120%そのことしか頭にないと思うんですよ。本当にこの人、完全に芝居に魅入られちゃっているんだなというのが、何か笑っちゃうくらいなので、端から見ていて面白いですよ」と役者っぷりを称えた。

 「ジャズで1人が何かを始めると、どんどん演奏がかぶってセッションになっちゃうのと同じように、いつの間にか誰かが台詞を話し始めると自然と自主練になっちゃうわけですよね。そうすると、助監督さんとかはさっさと進めたいのに『しようがないから、とりあえず一区切り終わるまで待とう』みたいになるんです。そうやって合わせているうちに、どんどん『あ、この感じも面白いかもね』というのが色々出てくる。それがすごく純粋に楽しいです」と充実感あふれる現場こそが家康ファミリーの雰囲気をつくっている。

 第41話「入城(16日放送)では主人公・真田幸村(堺雅人)が九度山を離れ、再び舞台は大坂へ移る。豊臣と徳川の最終決戦となる大坂の陣に向けて物語は急加速していく中、家康の動きと、それを傍らで支える阿茶局が物語のカギを握る。

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