中村倫也“洗脳ゲス男”怪演生んだ責任感「主将いない時は僕らがゴールを」

[ 2016年7月26日 10:00 ]

「闇金ウシジマくん Season3」で謎の男・神堂大道を演じる中村倫也(C)S.M.,S/U3PC,M

 若手屈指の実力派俳優・中村倫也(29)が19日にスタートしたドラマ「闇金ウシジマくん Season3」(TBS=火曜深夜1・28、MBS=日曜深夜0・50ほか)で、女性を洗脳して食い物にするゲス男を怪演。そのうすら寒い存在感が早くも注目を集めている。

 俳優の山田孝之(32)演じる主人公、ウシジマと債務者たちのハードな人間関係を描く人気ドラマシリーズの第3弾。「愚かな人間たちが一生懸命ダメになっていく姿を愛おしさにも似た気持ちで見ていた」と、同シリーズのファンだっただけに今回のオファーは感激したという中村。自身演じる神堂大道は、甘い言葉を使って女性に近づき根こそぎ貢がせるとんでもない男。個人的には「絶対的に大嫌いなキャラクター」と打ち明けつつも「こういう役にハマると思われているんだなと。それは光栄でしたし、やりがいもある。モチベーションは上がる役でした」と振り返る。
 
 言葉巧みに女性に使づき、心を支配していく。言動を相手の意識下に作用させていく難しい役どころだけに、「洗脳」に関する書物を読みあさるなど役作りに時間をかけた。「神堂の思惑や意図が明確に自分の中に腑に落ちて理解していないと、この男の芝居はできないと思った」

 とにかく第1話の登場シーンから強烈なインパクト。上下白い衣装で傘をさしている後ろ姿。立っているだけなのだが、どこか違和感がぬぐえない雰囲気で「気持ち悪いでしょ、不自然ですし」と演じた本人でさえも嫌悪感を口にするほどの怪しさだった。「作品の流れからみても、まずは観ている方に気になってもらわないといけないので。人の心にスルスルって入り込む。気づいたら入り込んでいた靴の中の砂のような男ですよ、神堂は」

 ストーリーの展開上、主人公・ウシジマが登場しない場面では、特に脇を固める立場としての重責を強く感じたという。例えたのが、サッカーの「ユーロ2016」決勝で主将のクリスティアーノ・ロナウドをケガで欠きながらも初優勝を果たしたポルトガル代表。「キャプテンがいない時は僕らがゴールを決めましょう…みたいな」。ウシジマが登場しないシーンでも結果は出す。「貢献したい気持ち、責任感はありましたね」と、キーマンを演じる役者として抱えていた強い思いを口にした。

 「評価は賛否両論あった方が面白い。個人的には“もう神堂を見たくない”って言われた方がうれしいですね。それだけ感じてもらえたということになりますから」。ドラマは回を重ねるごとに神堂のゲス度が増していく。「皮膚がザワザワする作品。夏ですし、寝苦しい夜もあるでしょうから、扇風機と一緒にこのドラマもつけてザワザワしてみてください」と神堂ばりの不敵な笑み。熱帯夜に、背筋も凍る瞬間が味わえるかもしれない。

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