高知容疑者 エステサロン周辺で聞く礼儀正しさの一方であった違和感

[ 2016年7月7日 20:35 ]

高知東生容疑者

 先月24日、覚せい剤取締法違反と大麻取締法違反(所持)の疑いで、厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部に現行犯逮捕された元俳優の高知東生容疑者(51)。いまだ謎に包まれた部分が多く、スポニチ芸能班は取材に奔走している。

 高知容疑者は昨年、芸能界を引退。ほとんどの業界関係者と疎遠になっていた。5月に開店したエステサロンは横浜中華街のほど近く。逮捕現場となったラブホテルは横浜市南区の歓楽街にあった。取材も必然的に、横浜市での聞き込みが中心となっている。

 エステサロンの周辺で取材をしてみると、高知容疑者の人柄についてはおおむね好意的にとらえる声が多かった。同じビルに入居する店舗に勤務する女性は「開店の1カ月前に奥さま(女優の高島礼子)と、マネジャーさんのような方と3人であいさつに来られた。高知さんは丁寧に頭を下げていた。うちの店が回覧板の順序を間違え、高知さんの店に回してしまったことがあったんですが“ウチじゃないですよ”と言って、代わりに回してくれたり。不審な点は全然なかったので、驚いている」と証言した。

 しかし、ビルを一歩出ると、高知容疑者への見方は違うものになった。近隣で工房を営む男性は「エステが開店したころくらいだったと思うが、朝から歩道にテーブルを出してきて、道行く人とひたすら談笑していた。店の宣伝にしては、とりとめのない話で、しかもずーっと陽気に話し込んでいたので、不思議に思っていた」と、高知容疑者への違和感を話した。

 また、別の近隣店舗に勤務する男性は「開店のあいさつは確かに受けましたが、高知さん本人ではなくてお店のスタッフさんでした」と話す。引退理由の一つに義父の介護を挙げていた高知容疑者。介護の実体はほぼなかったことがすでに明らかになっているが、エステサロンの仕事で手が離せないという状態でもなかったようだ。

 自宅は東京都世田谷区で、周辺住民は、「半年前くらいは頻繁に見かけたが、このところめっきり見かけない」と口をそろえる。エステサロンの開店準備を始めたのもやはり半年ほど前のこと。横浜市に拠点を移したことで、心境に何らかの変化があったのか。また、横浜市に拠点を移すこと自体が開店の目的だったのか。

 その点に関連するかもしれない情報があった。長年、横浜市の歓楽街を根城にしているという男性によると、高知容疑者とともに逮捕された五十川敦子容疑者(33)について「少なくとも10年以上前から、夜の街ではよく知られた存在だった。当時からクスリの影もささやかれていた」。過去に薬物で逮捕された有名人が属していたコミュニティーとも、接点があったという。

 高知容疑者は、取り調べには素直に応じているというが、供述の詳細については情報が乏しく、薬物におぼれた経緯はいまだ不透明だ。真相の解明に向け、取材を進めたい。(記者コラム)

続きを表示

2016年7月7日のニュース