つんく♂ 術後初舞台…クミコの歌に合わせ口ずさみ涙

[ 2015年10月10日 05:30 ]

クミコの歌声を涙ながらに聞くつんく♂

 喉頭がんのため声帯を全摘出した、歌手で音楽プロデューサーのつんく♂ (46)が9日、東京・目白の学習院大百周年記念会館で開かれた日本子守歌協会創立15周年記念コンサートにゲスト出席した。自身が作曲した子守歌「うまれてきてくれて ありがとう」を歌手クミコ(61)が歌唱。すぐ横で聴いたつんく♂ は感涙した。

 4月に声帯摘出を発表して以降、初めて上がるコンサートのステージ。作曲者として出席したつんく♂ は椅子に腰掛けると、曲に合わせて体を揺らし、詞を口ずさんだ。そしてサビ部分を聴いている時に、何度もハンカチで目を押さえていた。

 降壇後、関係者にメールを送り、「“うまれてきてくれてありがとう うまれてありがとう”という部分に、本当にありがとう、出会えてありがとう、と感じました」と涙の理由を説明。家族や仕事を共にする関係者、観客など、すべての出会いは「うまれてきたから」だと実感したという。そして、「こうやって命を残していただいたので、少しでも世の中のお役に立ちたい。それだけでなく、私自身も生きている意義を感じられるような楽しい人生を歩んでいかなければと思いました」と、生を全うする強い意志を明かした。

 関係者によれば、体調は良く、習得に取り組んでいる「食道発声法」に関しても、「短い言葉ならしっかりと発声できる」という。仕事への意欲もすさまじく、周囲が「もう少しセーブしては」と心配するほどだ。

 「うまれて…」はお母さん世代を中心に支持を広げている。ステージ上でクミコが代読した手紙で、つんく♂ は3人の子供も同曲が大好きだと明かした。「寝る前に“ねえ、あのありがとうのやつ聴きたい”と言って、聴きながら眠っています」。子守歌というジャンルでもその才能は見事に発揮されている。

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