「マツコの知らない世界」視聴者の評価を左右する「食べるか、食べないか」

[ 2015年5月15日 10:00 ]

食べっぷりに注目が集まるマツコ・デラックス

 今、最もコストパフォーマンスがいいバラエティといえば、TBS「マツコの知らない世界」(毎週火曜日午後9時)だ。出演するのはマツコ・デラックス(42)と、ある特定のジャンルに特化した“専門家”のみ。ロケや手間ひまかけたVTRを見せるわけでもなく、マツコとその道に通じている人とのやりとりのみだけで高視聴率を獲得している。

 毎回紹介されるマニアックな世界をすべては肯定せず、時にマツコが毒づきながら進行。これまで宣伝に近い“商品紹介バラエティ”から抜け出して、新しいジャンルを確立したといえる。

 番組も新しい方向性を示せば、視聴者の高評価のポイントも面白い。人気の背景には“マツコの食べる姿”を挙げる声が多い。

 データニュース社(東京)が行なっているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(対象3000人)によると、今年に入って最も満足度が高かったのは1月13日放送の「翻訳&漬物の世界」で3・96(5段階評価)。この日の回答では「マツコのたべっぷりがいい」(60歳・女性)「マツコのたべっぷり。引き込まれる」(32歳・女性)「どれも美味しそうだったし、マツコもすごく美味しそうに食べてるから、よけいに食べたくなった」。(42歳・男性)など、ほぼ例外なく、マツコと食べる姿に注目が集まっていた。

 一方で満足度の下位を見てみると、3月17日放送「特殊メイク&メガネの世界」の3・61、4月22日放送の「大人のコーディネートの世界」の3・33と、いずれも食品を扱わなかった回だった。平均満足度3・8(15年1月からの平均)を大きく下回った。回答では「食べ物特集の時の方が好き」。(34歳・女性)「食べ物に比べると今回のようなネタは興味がうすれる」。(65歳・女性)「できればマツコが食べているシーンが見たかった」(52歳・女性)など、その差は歴然としている。

 特殊だが身近な世界をマツコを介することで楽しく分析、情報を得ることができ、さらにマツコの豪快な食べっぷりが加われば文句なし。番組構成は極めて単純でありながら、チャンネルを変えることなく見続けてしまう。マツコ=食べものという図式が成り立ちつつある。

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2015年5月15日のニュース