77歳で監督デビュー 故岡本喜八氏妻、中氏「年齢気にならなかった」

[ 2015年5月15日 09:15 ]

記者会見を行った中みね子監督

 故岡本喜八監督の妻でプロデューサーを務めてきた中みね子氏(77)が14日、監督デビュー作「ゆずり葉の頃」(6月20日、シネ・リーブル梅田)公開を前に、大阪市内で会見を開いた。

 映画「肉弾」「大誘拐」などのプロデューサーとして夫の名作を送り出してきた中氏が、企画、製作、脚本も担当し、旧姓で発表。過去には08年に90歳で長編映画「夢のまにまに」の監督を務め、世界最高齢長編映画監督デビューとしてギネス世界記録に認定された美術監督の故木村威夫氏(享年91)の例があるが、77歳のデビュー作上映は極めて異例だ。

 結婚前の学生時代は脚本家を志しており、「(夫の)七回忌の後、気が抜けて何かやらないと、と。喜八の語り部も嫌。もう一度、中みね子として本を書いてみよう」と挑戦を決意。年齢は「全く気にならなかった。気になったのは80歳で(保障が)なくなる生命保険の期限くらい」と新人監督は笑顔で笑わせた。

 同作は喜八氏の師匠・谷口千吉監督の妻、岡本夫妻の仲人でもあった女優・八千草薫(84)と仲代達矢(82)らが出演。軽井沢を舞台にいちずな想いを貫いた女性と人々が織り成す、やさしい視点に満ちた人生賛歌。中氏は「エンドマーク(完)がついて良かったね、と上(天国)でニコニコしてくれていると思う」と最愛の故人に思いをはせた。

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2015年5月15日のニュース