清志郎さん名盤 27年ぶりLPで再発売…本人念願のアナログ化

[ 2014年8月11日 06:45 ]

「夢助」レコーディング当時の忌野清志郎さん

 09年に他界したロック歌手忌野清志郎さん(享年58)の名作アルバム「夢助」(06年発表)が、LPレコード2枚組仕様になって10月22日に発売される。個人名義でのLP作品は27年ぶり。最新技術で高音質化を施したCDと、米国レコーディング時の未公開映像をふんだんに使ったファン垂ぜんのドキュメンタリーDVDとのセットで限定生産される。

 「忌野清志郎」としてのLPは87年「RAZOR SHARP」以来。もともとCDで発売された清志郎さんのアルバムが、アナログ盤で再発売されるのは初めてだ。

 清志郎さんは生前、自身のCD作品のレコード化を強く望んでいた。今年に入り、レコード盤専門店が東京・渋谷で開店するなどアナログ再評価の機運が高まり、死後6年目にして実現した。

 「夢助」は清志郎さん最後のスタジオ録音アルバム。盟友でもある世界屈指のギタリスト、スティーブ・クロッパー(72)がプロデュースを手がけ、傑作と名高い。レコード会社も「ルーツに戻っている部分もあり“忌野清志郎”の魂が強く込められた作品。アナログ化1号にふさわしいと考えた」という。

 レコードには、CDでは収録しきれない低周波、高周波の音を記録できる長所がある。レコーディング現場のような臨場感ある音が感じられそうだ。一方のCDも、最新技術を駆使した高音質のバージョンに生まれ変わり、より鮮明でバランスの整った音を楽しめる。未公開映像を収めたDVDも付属。米テネシー州ナッシュビルで行われたレコーディングに密着したもので、全編60分中約4分の1が初公開だ。

 中でも、曲順をめぐりクロッパーと一触即発ムードになった清志郎さんが、片言の英語で必死に説得し、主張を貫く様子は見もの。これまで裏側の衝突は公開されていなかった。名盤に秘められた才能のぶつかり合いが味わいをより深める。

 また、ノートに書かれ保管されていた「激しい雨」など数曲の歌詞や、録音時に掲示されていたスケジュール表などを掲載した冊子も付く。

 レコード会社は「LP化を含め、今回のような清志郎さん作品の特別版は、今後可能な限り実現していきたい」としており、清志郎さんファンのみならず、ロック愛好家にはうれしい展開となりそうだ。

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