「おふくろがいないと何にもできない」獅童あいさつ全文

[ 2013年12月21日 05:30 ]

喪主あいさつを終え、涙をぬぐう中村獅童

中村獅童母・小川陽子さん葬儀

 【中村獅童あいさつ全文】皆さま、本日はお寒い中、12月のこの師走の忙しい最中にお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。昨日も雨が降る中、我々が思っていた以上に皆さまにお集まりいただきまして、あらためておふくろの人柄というものが分かったような気がいたします。

 僕は弱い人間です。僕は自分が思ってる以上にお母さん子だったみたいで、おふくろがいないと何にもできないんだなということが今ごろになって分かりました。

 僕が安心して舞台に立てるように、安心して芝居ができるように、どれだけおふくろが陰で支えててくれたってことが今まで分かってたつもりなんですけど、こうならないと本当の意味で分かりませんでした。本当に僕は愚かで…。涙一つ見せず、気丈に振る舞いたいところでございますが、まだまだだめです。

 おふくろが何年か前にケガしている猫を拾ってきて、非常に人見知りな猫なんですけど、おふくろにだけはなついていて、その猫がきょうも家の外でおふくろが帰って来るのを待っているんです。家の中に入らないで。ああ、猫にもこんなに愛されてたんだって。ちいちゃんっていう猫なんですけど「ちいちゃん、中に入りなさい」って言っているのに中に入って来てくれない。もうおふくろがいないと何もできないんです、僕。

 これから今まで以上に一生懸命やらせていただきます。中村獅童はおふくろがつくった、小川陽子がつくった最高傑作だったと言われるような役者になれるよう頑張ります。皆さま、今まで以上に厳しいご指導よろしくお願いいたします。皆さま、本当にありがとうございました。皆さまの前で言わせてください。

 「お母さん、本当にありがとう」

 ありがとうございました。

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