吉本が道頓堀に75年ぶり進出 4月からお笑いライブ

[ 2013年3月15日 06:00 ]

地下1階に道頓堀ZAZAが入る「中座くいだおれビル」

 吉本興業が大阪・道頓堀に新劇場を本格スタートさせることが14日、分かった。大阪市中央区の劇場「道頓堀ZAZA」を借り、来月1日から定期的に若手のお笑いライブなどを開催する。吉本による道頓堀への本格進出は、1938年に漫才大会を開いて以来75年ぶり。50メートルほど東には7月、松竹芸能の劇場を中心とした複合施設「道頓堀角座」がオープンするだけに、道頓堀界わいでお笑い戦争が勃発する!?

 4月に創業101年目を迎える吉本が、次代を担う若手を育成するためのステージを用意した。

 「道頓堀ZAZA」は一昨年4月にオープン。吉本や松竹芸人のお笑いライブや演劇などが上演されてきた。吉本は今年に入ってから、若手が腕を磨くための中規模サイズの劇場を探しており、130人と80人収容の大小2劇場を持つZAZAに白羽の矢を立てた。

 吉本の道頓堀進出は、38年に当時の浪花座で漫才大会を開いて以来75年ぶり。関係者によると、4月1日から稼働する予定で、最低でも月20日ほど、2劇場でそれぞれ1日3回ずつ公演する。NSC卒業後3年未満の若手によるライブのほか、「笑い飯」「ジャルジャル」ら人気コンビ、桂三度(43)ら落語家も出演する。

 同劇場から東側の通りを1本挟んだ隣には、7月末に松竹芸能の新劇場がオープンする。直線距離にして50メートルしか離れておらず、両社所属芸人のし烈なファン争奪戦が予想される。ただ、松竹のベテラン漫才コンビ「海原はるか・かなた」の海原はるか(64)が、吉本の三浦マイルド(35)との「薄毛コラボ」を本紙取材で熱望するなど、共闘は可能。吉本関係者も「道頓堀は観光客が絶対に訪れる場所。松竹さんのスターと吉本のスターが同時に見られるのは地域活性化につながる」と相乗効果を期待している。

 ミナミ界わいの吉本の劇場では、86年にオープンした心斎橋筋2丁目劇場(99年閉館)が有名だ。「ダウンタウン」や今田耕司(47)らを輩出し、当時アイドル級の人気を誇った。一大ムーブメントの再来を期し、吉本のお笑い新スポットが道頓堀を盛り上げる。

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