女優の津島恵子さんが死去 「ひめゆりの塔」などで知られる

[ 2012年8月3日 19:21 ]

 沖縄戦の悲劇を描いた映画「ひめゆりの塔」などで知られる女優の津島恵子(つしま・けいこ、本名森直子=もり・なおこ)さんが1日午前10時20分、胃がんのため東京都中央区の病院で死去した。86歳。長崎県出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は夫の森伊千雄(もり・いちお)氏。

 松竹大船撮影所で舞踊教師を務めていたところを吉村公三郎監督にスカウトされ、1947年に同監督の「安城家の舞踏会」でデビュー。芸名は出身地の長崎・対馬にちなんで付けられたという。原爆被害を扱った大庭秀雄監督の「長崎の鐘」や「帰郷」などに出演。松竹映画のいわゆる「大船調」のメロドラマのヒロインを演じた。

 その後、小津安二郎監督の「お茶漬の味」(52年)などで注目を集め、今井正監督の「ひめゆりの塔」(53年)では、ひめゆり学徒隊を率いる教師役が高く評価された。黒沢明監督「七人の侍」(54年)で男装の村娘を演じるなど、邦画の巨匠たちに愛された。

 60年代以降も「男はつらいよ 寅次郎真実一路」などの映画に多数出演。NHK大河ドラマなどテレビでも活躍した。

 ▽映画「ひめゆりの塔」で共演した女優の香川京子の話 当時、松竹の大スターで、若い人の憧れでした。女優さんらしくない、気さくで活発な方で、映画出演がご縁で関千恵子さんと3人で仲良くしてきました。具合が良くないとは聞いていましたが、最後にお会いできず、とても残念です。

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2012年8月3日のニュース