中島みゆき 名曲「糸」21年目のチャートイン

[ 2012年3月30日 06:00 ]

ライブツアーの映像が映画化される中島みゆき

 歌手の中島みゆき(60)のライブがデビュー37年目で初めて劇場公開されることになった。5月12日から全国55カ所の映画館で公開される。また、92年発表の名曲「糸」が有線放送「USEN」の最新リクエストチャートで3位にランクイン。東日本大震災の被災地を中心にリクエストが急増している。同曲は公開される映画にも収録されており、中島の歌声がニッポンに元気と勇気を与えてくれそうだ。

 劇場公開されるのは、07年に全国17カ所で計10万人を動員したツアーを収録したDVD「歌旅」の映画版。ワーナー・マイカル・シネマズを中心に、5月12日から全国55館で上映される。

 75年にデビューしてから初の劇場公開のアイデアは「コンサートは開催地域や都市が限られている中、なんとか全国の人々にライブの歌声を届けたい」という中島本人の意向から。また、昨年の全国映画入場員数が前年比83%と観客数が落ち込む中、劇場側としても新たな客層を開拓するチャンスとなる。

 07年のツアーは、ファンの間で最高のライブとの呼び声が高く「地上の星」「ファイト!」「宙船(そらふね)」などのヒット曲が歌われている。中でも一番の目玉は「糸」だ。

 92年のアルバム「EAST ASIA」の収録曲。Mr・Childrenの桜井和寿(42)が結成したBank Bandや岩崎宏美(53)ら幅広い世代の歌手がカバー。サッカー日本代表MF長谷部誠(28)もNHK・Eテレで来月6日に放送される「ミュージックポートレイト」で好きな曲として挙げるなど、若い世代にも人気が広がっている。

 人のつながりを糸になぞらえて「絆」の大切さを歌った作品に、震災から1年がたった今、ラジオや有線放送のリクエストが急激に増え始めた。同曲の「USEN」チャートはそれまで最高107位だったにもかかわらず、今年2月22日付で99位に入り、最新チャートでは3位まで急上昇。この1カ月ほどでダウンロード数も4万件を超えた。全くプロモーションをしていない20年前の歌としては異例の現象が起きており、ラジオや有線放送で耳にした人が再びリクエストするという、まさに糸のような“つながり”で広まっている。

 映画の公開は、宮城県石巻市、名取市、福島市など被災地の劇場も含まれている。中島の“福音”はさらに広がっていきそうだ。

 ≪ロングセールス記録も≫中島はオリコンチャートでロングセールスの記録を持っている。03年に「地上の星」がシングルチャートTOP100で、杉良太郎「すきま風」を上回る148週チャートインを達成。最終的に183週まで記録を伸ばした。

続きを表示

2012年3月30日のニュース