コブクロ活動休止…小渕 ジストニアで半年間の療養

[ 2011年8月29日 06:00 ]

札幌の真駒内セキスイハイムアイスアリーナでコンサートを開いたコブクロの黒田俊介(左)と小渕健太郎

 人気男性デュオ「コブクロ」が28日、札幌市で行った全国ツアー最終公演で、半年間の活動休止を発表した。ギター兼ボーカルの小渕健太郎(34)が高音域の声を出しづらい「発声時頸部(けいぶ)ジストニア」を発症し、約半年間の療養が必要と診断されたため。相方の黒田俊介(34)も持病の腰痛がツアー中に悪化したことなどを理由に休養する。

 大団円のフィナーレが一転、静寂に包まれた。終演後に小渕がコブクロの活動休止を発表。「去年から喉の調子が良くなくて少しメンテナンスしないと、動かなくなってきた。ちょっとだけ待っててください」と涙ぐみながら告げると、約6500人から大きなどよめきが起きた。

 所属レコード会社のワーナーによると、小渕は昨年末から喉の不調を訴えていた。今年5月に全国ツアーをスタートさせたが、高音域の声を出そうとすると首周りの筋肉が異常に硬直してしまい、声が出しづらい症状が続いていたという。7月上旬に専門医の診察を受けた際に「発声時頸部ジストニア」であることが判明。所属事務所社長と話し合いを重ね、休養を決めた。声帯に問題があるわけではなく、半年間しっかり休養すれば、活動再開できる状態にまで回復するという。

 また、黒田もツアー中に持病の腰痛が悪化。長年酷使した喉も疲労が蓄積しているため、こちらも休養し回復に努める。

 2人について事務所社長は「歌を伝えたいという思いが前面に出すぎて常に一生懸命。ここで休養した方が今後の長い歌手生活を送らせてあげられると判断した」と説明した。12月発売予定だったアルバムの制作は白紙に。ライブなどの予定も全て取りやめる。

 98年9月の結成から13年、01年3月のメジャーデビューから10年半。毎年約5カ月をライブのために割くなど過密スケジュールをこなしてきた。休養について小渕は「神様がくれたお休み」と目を潤ませ、黒田は「これまで全力でやってきたので何の後悔もない」と晴れやかに語った。

 順調に行けば来春までに復帰。2人がこの日最後に歌ったのは「桜」だった。桜の咲く頃には必ず戻ってくる。そんな力強い意志が感じられた。

 ▽ジストニア ある動作をしようとすると、自分の意志に反して体の筋肉が異常に硬直する病気。原因は不明だが、精神的ストレスが掛かったときなどに症状が強くなるとされる。音楽家やスポーツ選手には職業性ジストニアが多い。世界的なピアニスト、レオン・フライシャー(83)は右手に発症し、自由が利かなくなったため一時左手のみで演奏していた。

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2011年8月29日のニュース