平原綾香「第九」オリジナル歌詞で歌い上げる

[ 2010年12月6日 06:00 ]

恒例「1万人の第九」で伸びやかな歌声を披露した平原綾香

 今年で28回目を迎えた師走の浪速の風物詩イベント「サントリー 1万人の第九」(スポーツニッポン新聞社後援)が5日、大阪城ホールで開かれ、歌手・平原綾香(26)が初参加。世界で初めてベートーベンの交響曲第九番第三楽章に歌詞をつけて歌うという一大プロジェクトにトライし、見事に歌い上げた。

 “難題”をイベント総監督でもある指揮者の佐渡裕さん(49)から提案されたのは6月。ベートーベンの曲にオリジナル歌詞をつけるだけでも相当なプレッシャーだが、それを自ら歌う。本番までの日々を振り返り「眠れなかった。乗り越えられないのではと思った」と告白。タイトルを「LOVE STORY」に決めても、楽譜とにらめっこしては、何度も詞を書き換えた。
 世界で最も美しいメロディーともいわれる第三楽章。クラシックを愛するがゆえ、重圧はなおさら。最終的に完成したのは、本番2日前だった。
 その上、気合を入れるために前夜に飲んだ栄養ドリンクが裏目に出て明け方まで眠れず、ギリギリの精神状態でステージに立った。それだけに無事歌い終えたときには感極まった表情。鳴りやまない拍手に「新アルバムに入れたい」と応えると、ようやく安どの笑み。佐渡さんからは祝福の抱擁を受けた。
 1万人が「歓喜の歌」として知られる第九番第四楽章を合唱するフィナーレ。それを見守っている間も感動の涙を何度も流した。会見では「きょうは新しい涙だった。やっとぐっすり眠れます」とすがすがしい顔だった。
 また、1万人の第九には今後も参加したくなったようで「第三楽章も1万人で合唱できたら。高音部を女性、低音部を男性で」などと提案。“世界の佐渡”から「ベートーベンの新しい魅力を平原さんに教えてもらった」と絶賛されるなど第九の約200年の歴史に新たな1ページを書き加えた。

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2010年12月6日のニュース